分散型金融(DeFi)のメーカーダオ(MakerDAO)の債務オークションの第1フェーズが最終段階に達すると、入札者はメーカー(MKR)トークンを合計200万ドル(約2億2193万円)のステーブルコイン「DAI」で購入することになるそうだ。買い手が売り手を選定する逆オークション形式のため、入札者は、5万DAIの入札を行い、入札ごとに数量が減少し続けるMKRを購入する体裁だという。

記事掲載時点の落札のほとんどは、3月20日午前1時25分頃(米国東部標準時)に発注されており、さらに入札がない限り、ほとんどのロットは午前7時25分頃入札されるそうだ。

1回目の入札

債務オークションの最初の段階では、それぞれ5万DAIに相当する40のロットが提供され、入札を受けた。仮想通貨イーサリアム(ETH)暴落の結果生じた400万ドル(約4億4400万円)の負債のうち、合計200万ドル(約2億2193万円)がまかなわれる。

また、既報の通り、買い手が売り手を選定する逆オークション形式のため、入札者は、5万DAIの入札を行い減少し、入札ごとに数量が減少し続けるMKRを購入することになるという。各ロットとも最初は250MKRを5万DAIで提供する形になっており、その後の入札ごとに最低3%ずつMKRが減少していく。

2回目

最初のロットが公開された時点のMKR価格は245ドル(約2万7000円)前後だったため、5万ドル(約554万8000円)相当のDAIが6万1250ドル(約679万6000円)相当のMKRに入札された形となる。しかしMKRの量を減らすための入札が行われると、MKR価格が上昇し始めた。

記事掲載時点では、大部分のロットで落札されているものは、価格が5万947.16ドル(約565万円)相当の188.6792MKRに対して入札が行われた(1MKR=270.02ドル。約3万円)。入札されるMKRがさらに3%減少すると、価格は4万9418.74ドル(約548万円)になり、入札されるDAIよりも安価になる。

午前6時頃(米国東部標準時)、MKR価格は305ドル(約3万3900円)に達し、7ロットで新たな入札が行われ、183.1837MKRに引き下げられた。

11MKR=305ドル(約3万3900円)となったため、入札単価は164MKRまで下がったものの、まだ利益を上げられる状態という。

落札

各ロットの入札は、最後の入札から6時間後、または最初の入札から72時間後のどちらか早い方で終了する。このため、新たな入札を受けたロットは、他のロットよりも遅く終了する。

MKR価格がさらに上昇すると、新たな入札者がオークションに参加し、より多くのロットで追加入札が行われる可能性がある。今朝の価格急騰前に、40ロットすべてが3人の参加者に均等に分割されたが、新たな入札はすべて異なるアドレスからのものとなっていた。

しかし現状では、大部分のロットは間もなく終了するよう設定されており、MakerDAOプロトコルの一部として、成功した債務削減メカニズムと見なせるそうだ。

また次の債務オークションは、3月22日になる予定という。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン