「トラブル・イン・パラダイス」という表現は、現在のソラナ(SOL)エコシステムの状況を的確に表している。人気の高いレイヤー1トークンであるソラナは、最近発生したLIBRA騒動によって悪評を集めている。この事件にはアルゼンチン大統領やインサイダー取引が絡み、わずか24時間で43億ドル以上が消失した。

競合する仮想通貨コミュニティがソラナの問題を揶揄する中、今後予定されている大規模なSOLトークンのロック解除イベントが、さらなる売り圧力を引き起こす可能性がある。

ソラナの購入は「危険」なのか?

先月、匿名の仮想通貨コメンテーターであるartchick.eth氏は、2025年のソラナのロック解除スケジュールを明らかにした。現在、ソラナのトークンインフレ率は4.715%だが、今後3か月(2月~4月)で、1500万SOL(約70億ドル相当)が流通供給量に追加される。

2025年のソラナのロック解除予定. Source: X.com

「このSOLの大部分は、FTXのオークションでギャラクシーによって1枚64ドルで購入されたもので、依然として十分な利益が見込める。SOLがロック解除される頃には、さらに約10億ドル分のSOLが生成され、市場に放出される可能性が高い」

同様に、仮想通貨トレーダーのRunnerXBT氏も、現在ソラナを購入するのは「危険」だと述べた。トークンのロック解除に関連し、ギャラクシー、パンテラ、フィギュアといった企業が、それぞれ30億ドル、10億ドル、1億5000万ドルの含み益を得ることになるという。

このことから、多くの企業は売却に踏み切ると考えられる。市場心理が悪化しているうえ、LIBRA騒動が影響を与えている状況では、SOLを保有し続ける動機はほとんどない。

こうした懸念を払拭しようと、ギャラクシーのマネージングディレクターであるケリー・グリア氏は、SOLのアンロックに関するFUD(恐怖・不確実性・疑念)を否定した。同氏は、「今回のアンロックは、流通供給量および時価総額のわずか2.31%に過ぎず、ソラナの24時間取引高は36億ドルを記録している。市場はこの売り圧力を吸収するだろう」と指摘した。

また、テクニカルアナリストのDeftsuo氏も「SOLに対するFUDがピークに達している」と述べ、「FUDが一気に集まっているが、これは逆張りすべき状況だと思う。Firedancerアップグレードや、2025~2026年にかけてステーキング機能を統合したソラナETFが登場する見込みがある」と主張した。

ソラナをショートするのは選択肢か?

SOLの明確な方向性はまだ見えないが、先物市場ではソラナのショート(空売り)が優勢となっている。仮想通貨トレーダーのReetika氏は、過去24時間でショート売りが「積極的に」行われており、未決済建玉と資金調達率に乖離が生じていると指摘した。

また、匿名トレーダーのTyler氏によると、現在のショートとロングの比率は4:1であり、市場は明らかにSOLに対して弱気な姿勢を取っている。

SOL/USDT price at Binance. Source: X / Tyler

トレーダーのHORSE氏も、SOLの建玉が短期間で最も大きな増加を記録したことを指摘した。同氏によれば、建玉の大部分はSOLが190ドルを割った後に追加されたという。

Solana’s 1-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

テクニカル的には、SOLの日足チャートは、少なくとも一部の売り圧力を既に織り込んでいる可能性がある。このアンロックイベントは以前から知られており、多くのアナリストがその影響について議論してきた。そのため、SOL価格は過去1か月で30%下落している。

ただし、180ドルのサポートを失うと、売り圧力がさらに高まり、価格は168~155ドルのオーダーブロック(2024年11月に形成された)へと下落する可能性がある。

もう一つの重要な指標は、200日間EMA(指数平滑移動平均線)の弱気転換だ。SOLが2月17日に190ドルを超えて終値をつけられない場合、2024年10月10日以来初めて、200日間EMAを下回ることになる。これが実現すれば、今後数週間にわたりSOL価格の急落が続く可能性がある。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。