8日の仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は、強気派と弱気はが1万ドル付近で攻防を繰り広げている。一時1万ドルを割ったビットコインは足元では10300ドル台まで回復しているが、アナリストからはビットコインが守るべき重要ラインを下回れば8100ドルまでの下落も指摘されている。

(出典:Coin360 9月8日午前10時50分)

ここ数日間、1万ドルのラインを何度も下回っているビットコインは、このまま下落を続ければ、200日移動平均線を下回る可能性も出てきている。

仮想通貨アナリストのジョシュ・オルシュウィッツ氏は「1万ドルと200EMAが維持できなければ、8100ドルまでの下落もありうる」と指摘した。

現在は投資家心理も急速に冷え込んでいる。データ提供会社のオールターナティブ・ドット・ミーの「仮想通貨の恐怖&強欲指数」は9月3日頃までは80ポイント付近の「極端に強欲」を示していたが、5日には一気に下落し、現在は40ポイントの「恐怖」に沈んでいる。

これは仮想通貨価格が10500ドルのレジスタンスレベルの前に停滞を続けていた7月下旬と同水準だ。

現在のレベル維持で爆発的な上昇も?

ただ、現在の価格は2017年末の過去最高値から引いた下降トレンドラインを上回っていることで、心配するような状態ではないとの声も出ている。

仮想通貨トレーダーのCryptoBirbは、次のようなチャートを投稿し、現在のトレンドラインのテストから反発することで上昇につながると予想した。

(出典:CryptoBirb)

また、コインテレグラフに寄稿するマイケル・ファン・デ・ポッペ氏も現在のチャートでダブルボトムを形成しようとしていることから、現在の弱気な動きが反転するかもしれないと予想している。10000ドルを維持できれば、次は10600ドルと11000ドルをテストされるだろうという。

こうした強気予想については、オンチェーンアナリストのウィリー・ウー氏も同様の姿勢を示している。同氏が考案したNVT(Network Value to Transaction)比率から、中期的に強気であることが指摘されている。NVTは流通する仮想通貨の市場価値を毎日の取引量で割ることで、市場のピークを見極めようとする指標だ。同氏は「買い戻すには悪い時期ではない」と発言している。

ただ一方で、仮想通貨取引所ビットフィネックスでは8800ドルにクジラの買い注文が集まっている。クジラは流動性を確保するために最低のサポートレベルを入札する傾向があるため、オルシュウィッツ氏が同様に指摘するこの水準まで下落する可能性があるかもしれない。