決済の方法のひとつにiD払いというものがある。iDは電子マネーであり、国内で広く普及している。
iD機能の付いたクレジットカードもあり、様々な場面での活躍が期待されている。
今回はiD付きクレジットカードのメリットと、おすすめのiD付きクレジットカードをご紹介しよう。
iDはかざして支払う電子マネー
iDはNTTドコモが運営している電子マネー決済サービスだ。
類似サービスには楽天Edy、Suicaなどがある。
iDの支払いが出来るお店や交通機関は全国で114ヶ所以上あるため、様々な支払いの場面で役に立つ。
支払い方法はポストペイ(後払い)、プリペイド(事前チャージ)、デビット(口座内残高から支払い)の3タイプであり、クレジットカード一体型のものは基本的にポストペイ型だ。
iD払いそのものにポイント制度はなく、iDを経由したクレジットカードでの決済に対して、クレジットカードのポイントが付くというのが、iD決済におけるポイント付与の仕方である。
そのため、iD払いであってもカードの種類によって付与されるポイントや、ポイントの還元率は異なる。
そもそも電子マネーとクレジットカードの違いはどこにある?
電子マネーは、カードなどの決済端末をカードリーダーにかざすことで決済を完了させられるサービスである。
電子マネーには上でご紹介した通り、ポストペイ、プリペイド、デビットの3種類の支払い方法がある。
ポストペイは決済後、月末などにまとめて利用者あてに請求が来る方法だ。
クレジットカードの決済と同様と考えてもらえば良い。
プリペイドは、事前に電子マネーとしてチャージした金額から決済を行う方法である。
オートチャージ非対応のSuicaなどと同じ使い方になる。
デビットは、直接カードの支払いが銀行口座に結びついており、口座残高から順次引き落としが発生するタイプである。
銀行口座を財布に見立てて、そこから直接現金を支払っている感覚に近いと言えるだろう。
こうした3種類の支払い方法があるが、プリペイドやデビットは残高を意識した利用が前提であり、チャージ額、もしくは口座残高を超えた支払いはできない。
一方、ポストペイタイプは、電子マネー決済業者から請求が行われた時点で支払い能力があればよく、給料日前などで口座残高がピンチであったとしても、問題なく利用することができる。
クレジットカードは、ポストペイタイプしか存在しておらず、常に使用した金額は後日まとめて請求される。
ポストペイタイプの電子マネーとクレジットカードは、将来の自分が支払うという利用方法であり、プリペイドは過去の自分がチャージしていた金額を利用する方法、そしてデビットは現在の自分が支払っている決済、と考えるとしっくりくるだろう。
iD付きのクレジットカードでは、電子マネーは自動的にポストペイ型となり、iDを利用した金額を請求する方法がクレジットカードの請求に加算されている。
いずれも、近い将来の自分が払わなければならない出費なので、使い過ぎには気を付ける必要がある。
iD付きのクレジットカードを選ぶメリットとは?
クレジットカードの中でも、特にiD付きのクレジットカードを選ぶことで得られるメリットはどういったものであろうか。
サインレスでスピーディ
iD決済の場合、基本的には署名なしで買い物が可能となる。
クレジットカードだとカードリーダーを通してから暗証番号入力、認証、サインと、30秒~1分程度かかってしまう決済も、iDであればかざすだけで決済が完了するため、1秒ほどで済んでしまう。
クレジットカードは使えなくてもiDは使えるという店がある
最近ではクレジットカード決済、タッチ決済、QRコード決済など、様々なキャッシュレス決済の方法が普及してきているが、これらすべての決済方法がどこでも使えるというわけではない。
iD付きクレジットカードであれば、クレジットカード決済ができなくてもiDでの決済が可能となるため、1枚のカードで支払いができるお店の範囲が広がる。
自動販売機などでもクレジットカードの利用が可能になる
多くの自動販売機では、クレジットカードが利用できない。
一方で、タッチ決済形式の電子マネーは決済可能という自動販売機も増えてきている。
このような自動販売機でiD付きのクレジットカードを利用した決済にも、クレジットカードのポイントが付与されるのだ。
iD付きクレジットカードのおすすめベスト10
それでは、実際にiD付きクレジットカードのおすすめを10種類ご紹介しよう。
dカード
iDはドコモのサービスなので、同じくドコモの系列であるdカードとは相性が抜群である。
dカードにはiDが標準で搭載されているため、カードを受け取ったらそのままiDを利用し始めることが可能だ。
さらにドコモのサービスであるd払いと組み合わせることで最大で還元率が2.5%まで上昇する。
ドコモユーザーではない人にとっても、これはかなりお得である。
dカードGOLD
dカードのゴールドカード版がdカードGOLD。dカードGOLDは、ドコモの携帯電話料金やドコモ光の利用料などについてもポイントを貯められる仕様となっている。
年会費がかかってしまうが、家族がドコモユーザーで、請求先を1枚のdカードGOLDにまとめられるのであれば、ポイント付与でかえってお得に使うことができることになる。
もちろん、dカード同様、d払いと組み合わせることで大幅にdポイントを貯めることも可能だ。
イオンカード(WAON一体型)
イオンカードは、別途申請することでiDを付けられるクレジットカードのひとつである。
イオンカードには様々な種類があるが、中でもおすすめしたいのがWAON一体型のカード。
イオンカードのクレジット利用におけるポイントはときめきポイントと言って、通常200円ごとに1ポイントの付与のみとなっている。
WAONはイオン系列店での決済時に使える電子マネーであり、こちらも通常は200円ごとに1ポイントのWAONポイントが付与される。
ときめきポイントとWAONはどちらもポイントサービスデーがあり、その日に買い物をするとそれぞれポイントが2倍付く。
イオンカードのクレジット機能を利用してWAONにチャージした上でWAONを使うと、ポイントの二重取りが可能となっており、ときめきポイントとWAONポイントを利用して、イオンでの買い物をさらにお得にすることが可能だ。
iD決済はイオン系列店でも利用可能だが、WAONポイントが貯まるため、イオン系列店ではWAONを使い、ほかの飲食店などでiDを使った決済を行うことをおすすめする。
また、55歳以上限定で加入できるG.GWAONでは、さらに買い物が5%オフになるG.G感謝デーが設けられている。
対象となっているのであれば、こちらに入ったほうがよりお得だろう。
Orico Card THE POINT
年会費無料で使えるポイント還元率の高いクレジットカードだ。100円で1オリコポイントが利用でき、さらに入会後半年間はポイント還元率が2%に上昇する点も嬉しい。
iDのほかにQUICPayも搭載しており、さらにApple Payにも対応している。
クレジットカード決済、タッチ決済2種、そしてスマホ決済と、様々な決済方法にこの1枚で対応できるのも魅力的である。
券面がシンプルなブラックであり、一般カードでありながらシックな見た目で高級感を得られる。
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ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード セゾン・アメリカン・エキスプレス(R)・カード
クレディセゾンの発行する各種クレジットカードには、別途申し込みでiDを付加することができる。
その中でも特におすすめできるのは『ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード セゾン・アメリカン・エキスプレス(R)・カード』である。
これはヤマダ電機、ANAと提携したクレジットカードであり、ヤマダポイントとクレディセゾンの永久不滅ポイント、さらにANAマイルが貯まるカードである。
ブランドはAMERICAN EXPRESSであるため、日本国内では使えないシーンが出てきてしまうかもしれないが、そんな時にはiDが役に立つ。
さらに国外シーンでは、AMERICAN EXPRESSは多くの場所で利用可能となるため、国内外での活躍が期待できる。
ヤマダ電機やANAをよく利用するなら、すべてをこの1枚にまとめてしまっても良いだろう。
SAISON CARD Digital
クレディセゾン発行の、スマホでカード番号管理を行うタイプのクレジットカードだ。
発行されるカードにはクレジットカード番号の記載がないため、不正利用やスキミング被害の心配が少ない。
利用明細やクレジットカード番号はアプリから確認でき、電子決済、利用停止もスマホから行うことができる。
トラブルがあった際にもカードの利用一時停止がすぐにできるため、不正防止の対策も万全だ。
ローソンPontaカードVisa
ローソンでの買い物でこのカードを使うと、Pontaポイントの還元率が2%、さらにクレジット・iD決済利用によって0.5%のポイント還元が受けられる。
コンビニでローソンをよく使っているのであれば、かなりお得な1枚である。
もちろん年会費は永久無料。
さらに、ETCカードも無料で申し込むことができる。
貯まったPontaポイントは、1ポイント1円としてPonta提携店で利用できるほか、2ポイント1マイルとしてJALマイルと交換することもできる。
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JP BANKカードiD
日本郵政の発行しているJP BANKカードは、キャッシュカード一体型のクレジットカードである。
ゆうちょ口座をメインバンクとしている人には便利な1枚だ。
ポイント還元率は決して高くないものの、ゴールドカードの家族カードが無料で発行できるなど、良い面も多い。
iDを搭載して支払いを全て1枚にまとめると、口座からのお金の流れが見えやすくなるたえ、家計管理に向いている。
ライフカードiD
ライフカードは、比較的申し込みの審査が簡単に通ると言われているクレジットカードのひとつである。
その分だけ、ポイントの活用でお得にできるというほどの大きなメリットは得難いかもしれない。
利用で貯められるLIFEサンクスポイントは100円ごとに0.1ポイントが付与される。
現金キャッシュバックにするのであれば最大で1ポイント約4.7円換算のキャッシュバックが可能となる。
特別ボーナスポイントなどがない場合は、ポイント還元率は0.5%を下回ることになる。
クレジットカードを持ったことがなく、審査に不安がある人などにおすすめできる1枚だ。
ペルソナSTACIAカード
阪急百貨店、阪神百貨店での買い物時に、5~10%のポイント還元が受けられる。
またクレジット・iD決済で0.5%のポイント還元となる。本会員の年会費は2,200円で、家族カードは4枚まで申し込み無料となっている。
ペルソナSTACIAカードは、一般的に高価な買い物が多くなりがちな宝飾店などでも、高還元率のポイントサービスが受けられるという点が魅力である。
阪急百貨店・阪神百貨店は店舗が関西中心に分布しているため、関西エリアに住んでいて、デパートでの支出が多い人におすすめだ。
キャッシュレス決済の方法を広げてさらに便利に
キャッシュレス決済には、クレジットカード、iDをはじめとした電子マネー決済、QRコード決済などがある。
iD決済は広く普及した方法のひとつであり、クレジットカードが使えない場面でも活躍が期待できる。
またスマホ画面を一度開かなければならないQRコード決済よりも、確実にスピーディな決済が可能である。
iD付きのクレジットカード利用で、キャッシュレス決済の方法に幅をつけ、より快適な生活を送ろう。