匿名での機密情報を公開する国際的な非営利組織ウィキリークスの商品販売部門「ウィキリークスショップ」が20日、米仮想通貨取引所大手のコインベースに開設した自社のアカウントがブロックされたと、ツイッターで報告した。

 @WikiLeaksShop 告知:コインベースが通知や説明なしに、公式@WikiLeaks ショップをプラットフォームからブロックした。ウィキリークスへのビットコインの寄付は引き続き次のリンクから可能。https://WikiLeaks.org/donate

 ウィキリークスショップのツイートには、コインベースから送られてきたというメールのスクリーンショットが添付されている。メールには、ウィキリークスショップがコインベースの利用規約に違反したため、「今後はコインベースのサービスへのアクセスができない」と書かれている。コインベースはウィキリークスショップの具体的な違反内容についての質問に、記事執筆時点で返答していない。

 同ショップの収益は全てウィキリークスの運営費に充てられ、顧客はCoinpayments.netを通して、ビットコイン、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ダッシュ、ドージコイン、イーサリアム、ネオ、ネームコイン、ヴァートコイン、モネロ、Zキャッシュで代金を支払うことができる。

 今回のブロックに対しウィキリークスは公式ツイッターで、コインベースの「全世界でのブロック」を呼びかける投稿を行った。

 @wikileaks ウィキリークスは、コインベースを仮想通貨コミュニティに相応しくないメンバーとして、来週全世界でブロックすることを訴える。カリフォルニア州の大手ビットコイン決済プロセッサーであるコインベースは、全く罪のない @WikiLeaksShop をブロックした。この決定は、裏からの圧力に応じて経営側が承認したものである。

 ビットコイン(BTC)支持者のアンドレアス・M・アントノプロス氏はツイッターで、コインベースが「歴史を繰り返した」と投稿した。ビットコインは、ウィキリークスが従来の銀行システムを合法的に使えなくなった時から、この非営利組織にとって重要な役割を果たしてきた。

 @aantonop 私たちは一周して元の位置に戻った。多くの人がビットコインに興味を示し始めたのは、ウィキリークスが裁判所の禁止措置により、VISA、MC、ペイパル、銀行から閉め出された時だった。今また、コインベースが歴史を繰り返した。

 昨年秋、ウィキリークスのリーダーであるジュリアン・アサンジ氏は、米国政府に対しツイッターで公に感謝を表明した。銀行サービスの利用禁止措置のため、ウィキリークスはビットコインに頼らざるを得なくなり、その結果、この組織に5万%の利益がもたらされたためだ。またアサンジ氏は、ウィキリークスへの資金提供者たちに対し、この金融封鎖を回避する方法として、仮想通貨を使って寄付を行うよう呼びかけた。ウィキリークスのウェブサイトは、ビットコイン、ライトコイン、モネロ、Zキャッシュでの寄付を受け入れている。

 アントノプロス氏は自身のツイッター投稿へのコメントで、コインベースによる今回の禁止措置は、中央集権化や銀行サービス規制の意味するものを思い出させてくれる初めてのケースになりそうだと付け加えている。