仮想通貨イーサリアムのヴィタリック 政治思想家に転身?ビットコイン支えたサイファーパンクの個人主義を批判

仮想通貨イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨コミュニティーはサイファーパンクの個人主義を脱して、社会にポジティブな影響を与える革新的なシステムを作るべきだと述べた。ブテリン氏は、以前のようにイーサリアムの開発アップデートだけでなく、政治思想家として情報を発信していくつもりなのかもしれない。

ブテリン氏は、米ミシガン州デトロイトで開かれていたカンフェレンスの基調講演でコメント。仮想通貨メディアBreakerMagが25日に報じた

ブテリン氏が批判したサイファーパンクは、80年代に始まった社会運動で、政府の介入からの自由を訴え、プライバシーや匿名性の向上に力を入れてきた。サイファーパンクのメンバーが発表した暗号技術は、ビットコインのホワイトペーパーでも引用されている

ブテリン氏は、個人主義者の集まりであるサイファーパンクは、過去5年間でいかに他者との協調が大切かが分かっただろうと指摘。仮想通貨の支持者や開発者は、サイファーパンクの自由やプライバシー権の最大化という過剰な思想から離れるべきだと主張した。

ブテリン氏にとって、マネーとは「社会的なもの」。「2人が行う暗号化されたコミュニケーション」よりはるかに深い意味がある。ガバナンスや社会契約、コミュニティーで共有される期待、ルール変更の方法など、「かなり政治的なもの」が含まれる。

その上でブテリン氏は、2016年のブレグジット(イギリスのEU離脱)やトランプ大統領誕生の背景にあるポピュリズムの台頭に言及。背景には、「1950年スタイルの計画経済的な国家統制」と「自由市場資本主義にわずかな社会福祉」という両極端のシステムが「思想的に袋小路」だったことがあると解説した。

ブテリン氏は、良い社会を作るために大胆なアイデアが必要と主張。社会主義と資本主義のハイブリッド型であるリベラル・ラディカリズムを提唱する経済学者のグレン・ワイル氏などを引き合いに出した。所有権やマーケット機能の再考は、イーサリアムを含むスマートコントラクトが目指すものと一致していると述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Vitalik Buterin: Crypto Must Leave Behind the Individualism of the Early Cypherpunks