日に日に激化しその頻度を増やしているDoS攻撃によって、ネットワークには絶え間なく影響が出ており、取引所での取引遅延や、ETH用のウォレットプラットフォームでの料金の出入金などの遅延の原因となっている。この問題への直接的な回答として、Vitalik Buterin氏が最近EIP150によるハードフォーク実行を認めている。
Gethの非効率的なリリース
“他にどこを修正するべきだろう?” “ここまで来てみな (1.4.15)”、そして最新の”Poolaid (v1.4.17)” を含む一連のGethのリリースアップデートが行われたにも関わらず、イーサリアムの開発チームはDoS攻撃とトランザクションに対するスパム攻撃の沈静化に苦戦しており、実行されるEIP150はイーサリアム・ネットワーク上のガス価格を自動的に調整するようにデザインされていると言われている。
ガス
イーサリアム・ネットワークで利用される単位、ガスは、特定のオペレーション実行の際に必要とされる仕事量を表わするもので、トランザクションによって支払われる適切な手数料の範囲を確立するため重要なものだ。
Ledger Labsの技術部長で、イーサリアムの専門家であるJeff Coleman氏は次のように説明している―
「実行されるオペレーション(または実行されるコントラクト)ごとにトランザクションの支払いが必要とされるため、作業が集中してネットワークが止まらないよう注意する必要があります。それでは誰の利益にもなりません」
つまり、新しく導入されるEIP150によるハードフォークは、DoS攻撃緩和のためにガスの価格を大きく変えることを目的としているということであり、トランザクションごとの実用的なガス価格の設定を行うということである。
目下、自動でガス価格を調整するメカニズムとしてEIP150には様々なソリューションが提案されている。Vitalik Buterin氏は公式発表の中で3つの重要な点をあげており―マイナーによる投票、市場ベースのスキーム、そしてタイミング・ゲームの3つが挙げられている。
マイナー投票は、マイナーがガス価格に投票するだけという点では極めて簡単だが、市場ベースのスキームは、市場とマイナー、両方にトランザクションごとのガス・スケジュールを決定させるよりバランスのとれたメソッドだ。
EIP150実行の時が近づくに伴い、Buterin氏はこれらのモデルは必要なリサーチとレビュー・プロセスを以て、より詳細を明確意した状態で実行されるだろうと説明している。