28日(金)の外国為替市場では大幅に円高が進み、一時107.51円と2019年10月上旬以来の円高・ドル安水準まで下落した。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な株安が続き、安全資産とされる米国債に買いが入り、米国10年債利回りは1.116%と過去最低を更新したからだ。
WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスに関して世界全体の危険度を4段階で最高レベルの「非常に高い」に引き上げた。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、「政策ツールをもちいて、経済を支えるために適切に行動する」との声明を公表。
市場では、早期利下げの可能性を示唆したと受け止められ、一時1,000ドル超下落していたNYダウは357ドル安で引けた。
しかし、中国国家統計局が29日に発表した2020年2月の製造業の購買担当者景気指数(PMI)が、35.7とリーマンショック直後の2008年11月の38.8を下回り過去最低を更新。非製造業のPMIも29.6と過去最低だった。
新型コロナウイルスの感染拡大が、中国経済へ大きな打撃を与えていることが確認され、6時時点のドル円は107.30円と先週末の終値に比べ77銭の円高・ドル安となっている。
本日は中国の2月財新製造業購買担当者指数(予想45.7)、米国の2月ISM製造業景気指数(予想50.4)などの経済指標に注目だ。
ドル円のテクニカル分析と相場見通し
今日のドル円予想レンジ 106.50~108円
マーケットの動揺は止まっていない。本日も下値模索の展開になりそうだ。昨年10月の安値106.48円がメドになるだろう。