14時時点のドル円は108.58円とNY市場の終値に比べて18銭の円安となっている。
昨日のNY市場では、108.25円と4日以来2週間ぶりの安値をつけた。フィナンシャル・タイムズが「米中は第一段階の合意とりまとめで難航している」と報じたことが原因。
しかし、日本時間の15日朝にクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「中国との通商合意は近づいている。これまでの協議は極めて建設的」と発言したことからリスクオンの流れとなっている。
下落が続いていた香港ハンセン指数もプラス。NYダウ先物は100ドル近く上昇、米国10年債利回りも0.028%上昇し、1.843%とプラスで推移している。
本日は実需の売買が集中する5・10日とあって、ドルには輸入企業などの買いが入ったようだ。5・10日とは、文字通り5と10がつく日で、15日や30日など月に6回ある。企業の多くは請求や入金の締め日を5・10日のいずれかに設定しており、輸出入企業など米ドルを必要とするドル買い需要が5・10日の中値の時間(9時55分)に集中するのだ。
今夜の経済指標では22時半の小売売上高(予想+0.2%)に注目。小売売上高は、米国のさまざまな規模の小売店の売上を月ごとに測定する指標。GDPの3分の2を占める個人消費の動向を確認でき、予想を上回れば、米ドル買いの材料になる。
ただ、前回は予想0.3%に対して結果は-0.3%と7カ月ぶりの前月比マイナスを記録してドル円が大きく下落したので、今回も注意が必要だ。また、トランプ大統領のウクライナ疑惑の公聴会にも注目が必要だろう。
テクニカル分析
ドル円予想レンジ 108~108.80
本日はリスクオンの流れからリバウンドしているが、20日移動平均線(108.76円)が上値となりそうだ。昨日の安値108.25円を下回ると節目の108円が意識される展開になるだろう。本日も下値警戒が必要だ。