プログラムが自律的に運営する分散型の仮想通貨取引所(DEX)として有名なユニスワップ(Uniswap)が、同プロジェクトから分岐したスシスワップ(Sushiswap)に対する批判を強めている。ユニスワップの成長戦略を担当するアシュリー・シャップ氏が、スシスワップと昨年合併した分散型金融(DEFI)のポータルであるヤーンファイナンスに対する批判の中で矛先をスシスワップにも向けたかたちだ。
スシスワップは昨年8月にユニスワップから枝分かれしてうまれた分散型取引所で、その後12月には躍進するヤーンファイナンスと合流するなどして機能を強化しユニスワップからユーザーと流動性を奪ったとされる。取引高ベースでは現在第三位の分散型取引所となっており、第一のユニスワップに迫っている。
ユニスワップのシャップ氏によるスシスワップ・ヤーンファイナンス連合の批判は、知られざる分散型取引所業界の舞台裏を垣間見せたとして注目を集めている。
とはいえスシスワップを応援する仮想通貨業界関係者も少なくない。
仮想通貨分野で鋭い分析を展開するHasu氏はスシスワップは単なる真似事ではなく、ユニスワップをより発展させイノベーションを通してユーザーに恩恵をもたらしたことを指摘している。
また、昨年スシスワップの管理を任されていた海外仮想通貨取引所FTXのサム・バンクマン-フライド(通称SBF)は「ユニスワップはプロダクトを向上させる時間は十分あったのにしなかった。スシスワップは単にコードをコピーしただけといえない。そもそもコードはパブリックになっているのだから」とコメント。同氏は歯に衣着せぬ発言で知られフォロワーは多い。
昨年8月にスシスワップによって流動性を吸い取られ一度王座から転落して以来、ユニスワップはトークン(仮想通貨UNI)を発行したり流動性ファーミングに対する報酬を強化するなどして対抗してきた。スシスワップはこれに対抗する報酬プランを繰り広げて反撃。スシスワップは優れた操作性で話題となっていたヤーンファイナンスと合流しユニスワップを追い上げている。
ヤーンファイナンスはスシスワップ以外にも様々なプロジェクトを取り込み開発ピッチを上げており、ユニスワップとのデッドヒートは続きそうだ。