◆資産をトークン化して発行するプラットフォームを手がけるハーバーが仮想通貨カストディアンのビットゴー提携
◆機関投資家が安心してトークン化証券を発行できるようになるという
◆トークン化証券は、米国株式市場の問題点を解決するという見方が出ている
株式や不動産、アートなどの資産をトークン化して発行するプラットフォームを手がけるハーバーが、仮想通貨カストディ アンのビットゴー(BitGO)と提携すると発表した。31日のThe Blockが報じた。機関投資家が気にするカストディ (資産管理)サービスを充実させることで、ハーバーはトークン化証券の革命を起こそうとしているという見方が出ている。
ハーバーは、株式や不動産、アートなどの資産をブロックチェーン技術を使ってトークン化して資金調達できるプラットフォームを手がける。逆に言えばトークン化証券は、株式など資産の所有権を表している。ハーバーは、アンドレッセン・ホロウィッツやパンテラ・キャピタルなど有名仮想通貨投資会社が出資していることでも知られる。
一方、BitGoは、ヘッジファンドなどに対して仮想通貨のカストディ サービスを提供。カストディ・サービスとは、投資家のために証券を保護するほか、元利金・配当金の代理受領、運用資産の受渡し決済、運用成績の管理などを提供するサービス。機関投資家の参入には欠かせない存在として重要視されている。
ハーバーとBitGoが提携することで、しっかりと資産の保護が裏付けられた状態でトークン化証券を発行できるプラットフォームが誕生することになる。
ハーバーのジョッシュ・ステインCEOは、次のように今回の提携の意義を解説した。
「ハーバーの顧客のほとんどは機関投資家だ。あなたがお金をマットレスの下に乱暴に入れるのではなく、銀行にきちんと入金したいと考えるのと同じように、機関投資家は自分たちの資金が安全か確認したいんだ」
The Blockによると、トークン化証券は米株式市場が抱えるいくつかの問題を解決する可能性がある。一つの企業が株価の取引などを管理するのではなく、トークン化証券は、ブロックチェーンを基盤にしており、分散化されたマイナーやノードによって管理されることになる。一人のマイナーやノードが管理をやめたとしても、ブロックチェーンは機能し続ける。このため、安定性やセキュリティの向上が期待されるという。
ビットゴーは26日、ビットコイン(BTC)に1:1で裏付けされたイーサリアム基盤のコインを開発したことで話題になった。