米証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨取引所コインベースとの訴訟を理由に、セルシウス・ネットワークの再建計画に異議を唱えた。
9月22日、SECは米ニューヨーク南部地区の連邦破産裁判所に、セルシウスが最近提出した再建計画に異議を唱える書類を提出した。8月15日に提出された同計画の4度目の改訂版は、3月に提出された最初の提案を元にしており、まだ承認されていない。
再建計画の補足として、セルシウスはコインベースとの販売サービス契約を提案し、これを秘密裏に提出するこを求めた。しかしSECは異議申し立てで、この契約によりコインベースは「販売代理店のサービスをはるかに超える」サービスを提供する可能性があると指摘。特に同委員会が6月に提起した民事訴訟で問題となっているサービスに関するものであると主張した。
「債務者は、コインベースが債務者に仲介サービスを提供することを意図していないことを確認しているが、この契約にはその逆の文言がある」とSECは書類で述べている。「しかし裁判所は、重要な条件が欠落しているか矛盾している取引を承認するよう求められるべきではない」
セルシウスの再建計画の改訂は3月から続いており、コインベースは未登録の有価証券の提供をめぐってSECの訴訟に直面している。9月25日、コインベースのCEOであるブライアン・アームストロング氏と最高法務責任者であるポール・グレウォル氏は、X(旧ツイッター)で、同社はセルシウスと協力してユーザー資金を返還する取り組みを「誇りに思う」と述べた。
Coinbase is proud to engage with Celsius to distribute crypto back to its customers. I wonder, why would the SEC object to a trusted US public company taking on this role? We look forward to addressing this with the bankruptcy court and undertaking our important role to make… https://t.co/5i1aJDiPXp
— paulgrewal.eth (@iampaulgrewal) September 25, 2023
破産裁判所への提出は、セルシウスがコア・サイエンティフィックとの取引を発表したことに続くものだ。同取引では、コア・サイエンティフィックは、セルシウスに1400万ドルの現金でマイニングデータセンターを売却し、両社間の既存の訴訟を解決する。コア・サイエンティフィックによると、セルシウスは2022年7月に破産を申請して以来、支払いを延滞していたという。
破産裁判所は8月、セルシウスが10月に再建計画について投票するためにデジタル投票用紙を送付することを承認した。破産裁判の次の審問は、10月5日に予定されている。