起業家で元大統領候補のヴィヴェック・ラマスワミ氏は、イーロン・マスク氏と共同で「政府効率化省(DOGE)」を率いるはずだったが、同氏はDOGEの役職を離れ、オハイオ州知事選への出馬を目指すと報じられている。
「DOGE創設を支援できたことは名誉であった」とラマスワミ氏は1月20日のX投稿で述べ、「イーロン氏とチームが政府の効率化を成功させると確信している」と語っている。
ラマスワミ氏は今後の計画について詳細を明かしていないが、CBSニュースやニューヨーク・タイムズなどのメディアは、彼が近くオハイオ州知事選への出馬を正式に発表する予定であると報じている。
ラマスワミ氏は「近いうちにさらに詳しい発表を行う」と述べる一方で、ドナルド・トランプ大統領への支持を再確認した。
「ラマスワミ氏はDOGEの創設において重要な役割を果たした。彼は間もなく公職に立候補する予定であり、今回発表した組織基準に基づき、DOGEの外部に留まる必要がある」とDOGEの広報担当アナ・ケリー氏がAP通信に語っている。
オハイオ州知事のマイク・デワイン氏の2期目の任期は2027年1月で終了する予定だ。
1月18日、ラマスワミ氏は自分を模したパロディアカウントが「オハイオ州知事選に出馬する」と投稿した内容をXで共有し、「悪くないアイデアだ」とコメントした。
マスク氏との関係悪化の背景
ポリティコによると、マスク氏は最近になってラマスワミ氏をDOGEから外したい意向を示していたという。トランプ氏のアドバイザーに近い共和党の関係者はポリティコに対し、「ラマスワミ氏は橋を周囲との関係を壊し、ついにはイーロン氏とも決裂した。誰もが彼をマー・ア・ラゴやワシントンDCから追い出したがっている」と語った。
この動きの背景には、ラマスワミ氏による移民ビザを巡る発言が影響しているという。彼は12月、Xの投稿で、テック企業が外国人労働者を雇用するのは、米国における「優秀さよりも平凡さを尊ぶ風潮」が原因だと述べていた。
DOGEが直面する法的問題
現在はマスク氏単独で率いることとなったDOGEは、マスク氏が好む仮想通貨「ドージコイン(DOGE)」にちなんで命名された。DOGEはトランプ氏が大統領就任初日に署名した一連の大統領令のひとつによって公式に設立された。
しかしDOGEはすでに法的な問題に直面している。消費者保護団体「パブリック・シチズン」などのNGOがトランプ氏の就任直後に提訴し、DOGEが適切な透明性や監督なしに民間人が政府の意思決定を行える状況を作り出し、連邦諮問委員会法に違反していると主張している。
トランプ氏が2024年11月の選挙勝利後すぐに発表したDOGEは、予算削減や大量解雇を通じて連邦支出を削減することを目的としている。