ポイント
・11.2万ドル手前まで上昇
・BTC上昇が一服するとアルトが上昇
・テキサスSBR法案可決、減税法案も後押し
・大手銀行のステーブルコイン検討でETH堅調
昨日のBTC相場
昨日のBTC市場は続伸。
未明に10.9万ドル(約1565万円)台の史上最高値を更新。11万ドル(約1580万円)で跳ね返されて失速するも、10.6万ドル(約1520万円)台で切り返すと、昼過ぎにかけて11.2万ドル(約1610万円)手前まで上昇。その後は11万ドル台での高値圏でもみ合いが続いている。
先週金曜日の米国債格下げを受け、週明けの先物市場でトリプル安(ドル安・株安・債券安)が発生。トリプル安ならドルからの逃避買い、トリプル安回避ならリスクオンで、どちらに転んでもBTC買いとなる構図が出来上がった。
その結果、史上最高値に向けて最後の関門である1月30日の戻り高値10.6万ドルを上抜けると、月曜日には10.7万ドル、火曜日には10.8万ドルと上値を切り上げていった。
JPモルガンが顧客へのBTC関連サービス提供を示唆、ブラックストーンも少額ながら初めてBTC ETFに投資、さらにテキサス州の戦略BTC準備(SBR)が成立間近となる中、BTCは堅調に推移。減税法案を巡る強気な見方で水曜日の米株が安寄り後切り返すと、BTCは10.9万ドル台の史上最高値を更新した。
しかし、米20年債入札が低調となると、長期金利上昇を嫌気し米株が失速。BTCも10.6万ドル台に失速したが、ドル売りも加わってトリプル安が再発すると、テキサス州のSBR法案が可決したこともあり急反発。減税法案が可決に近づいているとの見通しも手伝い、11万ドルを突破。昼過ぎには11.2万ドルに迫った。
結局、日本時間の午後8時頃に減税法案は下院を可決、上院に送られることとなり、続いてストラテジー社が優先株発行による21億ドルの新規資金調達を発表。BTCは強含んだが、11.2万ドルを抜けきれずにいると、今度はアルトコインが上昇。特にWSJがJPモルガンやバンカメ、ウェルズファーゴ、シティといった米大手銀行がコンソーシアムを組んでステーブルコイン発行を検討していると報じた影響もあってか、ETHなどスマートコントラクト関連銘柄が堅調となっている。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。