ポイント

・BTC、9.5万ドル台で高値もみ合い、底堅い展開 

・上昇トライアングル形成、9.2万ドルでサポート 

・米GDP予想下回る-0.3%、リスクオフで一時失速 

・貿易戦争緩和やETF流入が相場を下支え

昨日のBTC相場

昨日のBTC市場は引き続き高値圏でのもみ合い。

朝方、9.5万ドル(約1,355万円)台半ばまで上値を抑えられると、9.3万ドル(約1,325万円)台に失速。午後から海外時間にかけて9.5万ドル台に値を戻すも、一時9.2万ドル(約1,310万円)台に下落。足元では9.4万ドル(約1,340万円)台半ばに切り返すなど、上値は重いが底堅い展開を続けている。 

BTCは一目均衡表の雲や史上最高値からの半値戻しとなる9.2万ドルを上抜け、トレンド転換を印象づけた。先週金曜日のオプション期日を通過すると、9.6万ドル手前まで上値を伸ばした。

その後は、レジスタンスだった9.2万ドル台でサポートされ、9.5万ドル台半ばで上値を重くするレンジ取引に移行。徐々に下値を切り上げ、上昇トライアングルを形成した。 

また、材料的には対中貿易戦争の緩和が相場を下支えする一方、ウクライナ和平交渉の停滞が上値を抑えた。ETFフローの回復やストラテジー社の追加購入も相場を下支えした。

一昨日は、アリゾナ州議会の戦略的BTC準備法案の両院通過、ロシアの5月8日からの3日間停戦宣言、自動車部品の一部関税除外などが好感され、9.5万ドル台半ばまで値を伸ばしたが、レンジの上限付近で上値を重くした。 

昨日はETFフローが8営業日連続で流入を記録したこともあり、底堅く推移。午後に入ると9.5万ドル台を回復した。しかし、第1四半期のGDPが前期比年率で予想の+0.4%を大きく下回る-0.3%となったことでリスクオフムードが強まり、一時9.3万ドルを割り込んだ。

だが、月曜日の安値でサポートされると、PCEコアデフレーターが市場予想通りだったこともあり、切り返し始めた。 

FTが米国とウクライナとの資源協定が土壇場で難航していると報じる一方、ベッセント財務長官が署名の準備があると報じたことも相場を後押しした。

さらに、中国国営放送関係者が米国が中国に関税交渉を打診しているとSNSに投稿したことが伝わると、引けにかけて米株がショートカバー気味に急反発。NYダウやS&P500が前日比プラス圏に値を戻す中、BTCは9.5万ドルをトライした。

米ウクライナ資源協定が無事署名されると、Sell-the-Fact気味に失速したが、足元で再び9.5万ドルをトライしている。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。