著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・21,000ドル台でのもみ合い

・米欧のPMIやETHのPoWを巡り若干上下するもレンジ内での取引続く

・26日のパウエル議長講演が思ったほどタカ派にならないとの見方も浮上

・見方が割れ始めた分、あと2日間は様子見姿勢が強まるか

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は引き続きもみ合い。

22,000ドル(約300万円)近辺にある一目の雲の下限に上値を抑えられ、一方で21,000ドル割れの水準ではサポートされ、概ね21,000ドル台での取引が続いた。

26日のジャクソンホールでのパウエル議長講演で市場の楽観的な見方に修正が加えられるとの懸念からリスクオフの巻き戻しが続いていたが、FF先物市場での来年5月以降の利下げ織り込みが縮小する中、事前のポジション調整にも一服感が見え始めた。

そうした中、BTCは狭いレンジでの取引が続いた。

昨日は米欧でのPMIが注目されたが、欧州での発表に先立ちBTCはやや値を崩し21,000ドルを割り込んだが、実際の数字は前月比で悪化は続いていたものの市場の予想を上回り、BTCはすぐさま値を戻した。

米国のサービスPMIが予想49.8を実績44.1と大幅に下回り、その後に発表された新築住宅販売件数も前月比―12.6%と大幅な減速が示されると、米株が下落、BTCも値を落とした。

しかしPloeniexに続きBitfinexがETHのマージ後にハードフォークされて誕生予定のETHのPoWバージョン(ETHW)の先物 取引を開始、一時価格が急騰すると、ETHやBTCも若干連れ高となった。

その後ETHWが値を戻すと、BTCはレンジ内での取引を続けた。

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