仮想通貨(暗号資産)ヘッジ・ファンド、パンテラ・キャピタルの共同創業者であるスティーブン・ウォーターハウス氏はビットコインへ投資を集中しすぎたことを投資家として後悔していると述べている。
ウォーターハウス氏は特にイーサリアム(ETH)のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に投資しなかったことを最大の後悔だったとし、その失敗から教訓を得たという。
ウォーターハウス氏は1997年にケンブリッジ大学で博士号を取得。2013年にフォートレス・インベストメントグループに入社する前にいくつかのベンチャー企業を起業して成功を収めた。
当初、ウォーターハウス氏はフォートレス内で仮想通貨ファンドを立ち上げる計画を立てていたが、上手くいかず、フォートレスが投資していたパンテラ・キャピタルを設立した。現在同氏は分散型VPNサービスのオーキッド(OXT)CEOを勤めている。
ビットコインマキシマリストからの助言に後悔
ウォーターハウス氏はベンチャーキャピタリストとして最大の失敗について聞かれ、それはイーサリアムのICOだと即答した。同氏はICOに投資するチャンスがあったにも関わらず、ビットコインコアのチームと距離が近かったことから判断が鈍ったという。
「我々はビットコインマキシマリストの一種で、ビットコイン側の連中も我々をそう認識していた。こういった無政府主義的な人々がクラウドセールをするのは、うまくいかないんじゃないかと思うだろう?我々はエクスポージャーを持つのに十分に近かったが、我々はそれをしなかった。間違いだったね。」
当時イーサのクラウドセールでは価格が1ドルだったことから後悔しているようだ。
そして数年後、ICO市場は様々なERC20トークンによって活況を呈した。イーサリアム・マキシマリストたちはウォーターハウス氏にこれらのプロジェクトに投資しないようにアドバイスしたという。
「それからイーサリアム・マキシマリストの友人たちはERC20は上手くいかないと忠告してきた。ただイーサリアムを使えばいいとね。ただ私は "わからないけど、何かあるかもしれない "と思ったんだ。そして、イーサリアムの失敗の教訓を思い出してもっと深く考え、そしてERC20は正しい道を歩んでいる可能性があると結論づけた」
ウォーターハウス氏はイーサリアムは開発の慢性的な遅延にも関わらず、もっとも優れたプロジェクトであると信じている。
「私は今でも分散型スマート・カウンターアクト・プラットフォームだと信じている。開発の観点から見てもイーサリアムはその代表的な例だ。DevConを他の開発者カンファレンスと比べて見てごらん。私の言いたいことを理解できるだろう。イーサリアムに取り組んでいる開発者の数は桁違いに多いよ。」
イデオロギー的な偏見は、投資判断に役立つものではないという教訓を学んだようだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン