ブロックチェーン関連企業の多くは、ブロックチェーン的価値観に準拠しなければならないことを知っており、民主的で、オープンソース、誠実かつ公正であるよう努めている。
こうした価値観はビジネスにおけるあらゆる側面に存在している必要があり、コミュニケーションもその例外ではない。
そうした側面を無視すれば、従来の企業にありがちな、一方的で閉じた企業であるとユーザーは判断するだろう。
多国籍企業のCEOが、休日に消費者からの様々な疑問に答えるような状況が10年前に想像できただろうか。
当時においては間違いなくそれはとても想像できるようなものではなかったし、なによりも、顧客にそうした類の説明を企業はしたがらなかったのに加えて、彼らと接触できるような情報へ、消費者は一切アクセスできなかったのだ―企業はそうした情報を極力隠そうとするのが当時は普通だった。
誰かと話すためには、消費者の多くは様々なフィルターを通りパスしなければならない。消費者サービスは電話を受け取り、適切なものであればそれぞれの部署へ電話が繋げられ、そして運が良ければ、やっと対応してもらえるのだ。
残念ながらこうした状況は過去のものではなく、昔ながらの企業はこうした対応を現在でも行っている。

 

新たなコミュニケーションの方法

ブロックチェーンの登場によって、クリアでオープンかつ、民主的な分散型システムという、企業の利用者との関わり方における大きな変革がもたらされた。
クライアントは、やっと新たなプロジェクトへ貢献している本当の意味で参加者なのだと実感することが出来るようになった。
ブロックチェーンの世界に関わっている人間の多くは、Slack、Telegram、Discord、Appear.inなどの今日では存在するコミュニケーションツールにとても精通しており、様々なディスカッションフォーラムも開設している。
しかしながら、本当に大事なことは、どのソフトウェアやアプリが利用可能なのかということではなく、彼らがそれらをどう利用しているかである。
進捗状況や実現具合などを全世界に公開し、それぞれの分野に関して全てをオープンに話すことができるようなコミュニティにおいて、新しいタイプの企業は大きな推進力となっている。
ただ結果を示すのではなく、(実現不可能性などに対しても)正直であることが今の時代重要になってきている。
以前を考えてみれば、当たり前のように企業のトップリーダーと直接意見が交換できるなど夢にも思わなかったことだろう。しかしそれが今では有史以来初めて実現可能になってきている。

 

新たな企業価値

ブロックチェーンなどの透明性の高い民主的でユーザーへ新たな居場所を与えてくれるような技術を考えてみると、そうした価値観に似合わない企業はナンセンスだとさえ思えるだろう。
コミュニケーションを含めた全てのエコシステムが今後どう進化するのか想像すると胸が躍る。
まだ成すべきことは多くあるが、愚見ながら、筆者個人の意見としては、オープンソースかつ、フェアな企業を確立する、という最初のマイルストーンは達成できているのではないかと考えている。