先日の北朝鮮のミサイル発射による一触即発の事態を受けて、金の価格が火曜日の朝に1%程跳ね上がった。
しかしながら、一般的な地政学的な市場の懸念に対する反応を考えると、今回の跳ね上がりは「反応が薄すぎる上に、遅すぎる」とブルームバーグは分析している。2017年現在、貴金属は安全資産としての地位を失っているように思われる。従来のモデルから考えれば、現在の価格よりも大きく価格を上げていても良いはずである。そして現在、金が比較的パフォーマンスに乏しいと非難される以下のような主な2つの所以がある。
価値を失いつつある金
想定した程、金のパフォーマンスが見込めなかった理由の一つには、投資家たちが資産を仮想通貨に移し始めていることが挙げられるだろう。ビットコインのような仮想通貨は、ベネズエラのハイパーインフレのような最近の危機的な状況においても極めて良好な価格を維持していた。
中央銀行による慣例にとらわれない金融政策もまた、金の価格に影響を与えていたようだ。いずれ必ず行われるとされている中央銀行のバランスシート縮小への懸念が、投資家をナーバスにさせつつあるのが要因だ。中には安全資産としてビットコインを選ぶ投資家もいることだろう。
投資家たちは、より大きなリターンとビットコインや他の仮想通貨の安定性を選び、貴金属や株式市場を避け始めており、ここ10週間で、300億ドル以上もの資金が株式市場から他の投資オプションへと流れている。