著者 :鳳ナオミ(おおとりなおみ)JDR.株式会社執行役員

日本初のデジタルマネー(暗号資産)格付け及びインデックスを提供するWEBサービス「JDRpro.」の開発運用責任者。大手証券会社にて、アナリスト、自己資金運用、ファンド組成業務などを経てクリプトの世界に。土地バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックを全て乗り越え、上げも下げも経験済みのイケイケバブル系女史。多岐に渡る金融経験をデジタルマネーに応用、先駆者としてリード。

週間マーケット概況

2022年1月第4週(1/22~1/28)の暗号資産売買マーケットは、ビットコインが4万㌦ラインを大きく下離れ、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)も連れ安する動きから始まりました。株式など伝統的マーケットとは一線を画す値動きが従来の暗号資産マーケットですが、昨今は連動性が高まる傾向が見られ、金利先高観、インフレを懸念する株式市場と同様の展開となっています。

週後半の1/27以降は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受けて、株式市場が更に大きな調整となる中、暗号資産マーケットは比較的落ち着いた動きとなっています。

テクニカル分析で「BTCの下値めどは 389万円」と指摘した様に、先んじてビットコインが同価格まで下落、これが昨年高値(約780万円)に対する半値押しでもあり、調整一巡感が出る水準に達したことで、ことさら下値を叩く動きにはなっていないと思われます。ビットコインのドミナンス(時価総額占有率)が価格に先んじてボトムアウトとなっていることが今後の価格動向のヒントになるかもしれません。

JDR.株式会社で算出しているJDR.Index(ジェーディーアールインデックス)は暗号資産マーケット全体を適切に観察できる指標です。同指標の1月第4週のパフォーマンスは-9.6%の下落、ビットコイン単独では-7.4%の下落となっています。一方で、JDR.株式会社が個別で格付け(レーティング)している暗号資産(全35銘柄)では、全銘柄が下落、週間騰落率は-10%から-30%と大幅な調整となっており、アルトコインが大幅な調整となっていることが特徴です。

クリプトフォーカス

暗号資産マーケットは年初からの調整局面が継続、株式市場など他のリスクマネーマーケット変調の影響も相まって、下値が定まっていません。ただでさえ、裏付けとなる対象資産のない暗号資産は、売買需給が更に価格を左右しているのが実情です。

様々な説明モデルのある株式等と異なり、歴史の短い暗号資産では、別な角度でのアプローチが方々でされています。わかりやすい例としてはBTCドミナンス(ビットコインの全暗号資産に占める時価総額の割合)の動きが注目されており、近視眼的アプローチですが短期的な方向感を探るには良いかもしれません。

続きはこちら

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。