シカゴマーカンタイル取引所(CME)のビットコイン(BTC)先物が建玉の多さでで第二番目の取引所になった。米国の機関投資家によるビットコイン参戦が背景にあるとみられる。
4月のポール・チューダー・ジョーンズによるビットコイン投資参戦を皮切りに、マイクロストラテジー、スクエア社によるビットコイン投資発表、今週はペイパルによる仮想通貨決済の開始が報じられた。
また長年仮想通貨業界に存在するグレイスケールの仮想通貨投資信託の預かり資産も急増している。10月22日にグレイスケールがツイッターで投稿した最新情報によると、同社は現在73億ドルの運用資産を保有。10月15日に報告された63億ドルから10億ドル増加した。
米国の大手企業や機関投資家によるビットコインへの関心は確かに高まっている。
10月10日、ブロックチェーン分析企業SkewはCMEのビットコイン 先物の建玉の契約数が1500ほど急増したと報告した。その後3日間でビットコインは9%上昇して1万3000ドルを超えた。
建玉は、「ロング」や「ショート」などトレーダーが持つポジションの総数を表す。建玉が多いほど、投資家の長期的な関心が高いことを示すと考えられている。

仮想通貨業界3年目で2位に浮上
長年ビットコイン先物市場はビットメックスとOKExという2大プレイヤーによって占められてきた。去年は、バイナンスやバイビット、フォビなどによる先物市場先物参戦もあってビットメックスの地位が脅かされていた。
既報の通り、ビットメックスは米国の司法省と証券取引委員会(SEC)により訴追されて資金流出が発生している。またOKExは今月、ビットコインの出金を一時停止した。
一方、CMEはビットコイン先物を2017年12月17日に立ち上げていた。Skewによると、CMEは3年の月日をかけてOKExに次ぐ第2位のビットコイン先物取引所の地位を獲得したことになる。
CMEはビットコインの7億9000万ドル(約830億円)相当のロングとショートポジション契約数を持っている。OKExとの差は1900万ドル(約20億円)だ。

(出典:TradingView.com 「ビットコイン/米ドル(1日)」)
今週末のビットコインは?
ディープラーニングによるビットコイン分析を手掛けるドルフィンf氏によると、テクニカル観点から今週末は調整に警戒する必要がある。ペイパルの仮想通貨参戦に過剰反応した後がみられると言う。
また、ビットコインは年初来高値を更新したにもかかわらず、デリバティブ市場ではショートが多いままだ。ドルフィンf氏は、「バブル崩壊後の2018年の弱気相場におけるショートの成功体験」を引きずるトレーダーが多い可能性とレンジ相場に慣れたFXトレーダーの参入の多さが、現在のビットコイン相場のショートの多さにつながっているのではないかとみている。
翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン