オープンAIのAIチャットボット「ChatGPT」や画像生成AI「Midjourney」、「DALL-E 2」など、AI技術が急速に進化している。しかし、この新興技術に対しては賛否両論がある。

米ニューヨーク・タイムズ紙によると、今年3月に検索大手グーグル社内で2名の社員が、オープンAIのChatGPTと競合する同社のAIチャットボット開発の中止を求めたという。

同紙の報道によれば、2名の社員はグーグルのAI製品をレビューする仕事をしており、同技術が「不正確で危険な発言」を生成すると懸念したという。同様の懸念が、マイクロソフトでもウェブブラウザであるBingブラウザに組み込む予定のAIチャットボットのリリースに先立って、従業員や倫理学者からも寄せられている。批判的思考の低下、デマの拡散、そして「現代社会の事実に基づく基盤の浸食」が懸念事項だという。

それにもかかわらず、マイクロソフトは2月にBing統合チャットボットをリリースし、グーグルも3月末に「Bard」チャットボットをリリースした。これらは、オープンAIの動きに追随するものだ。

また、人工知能を使ってリアルな画像を生成するアプリ「Midjourney」は、問題のあるディープフェイクを抑制するために無料トライアルを中止した。また、オーストラリアのメディア幹部は、ChatGPTやAIが利用する外部ニュースに対して金銭的な補償を求めるよう呼びかけている。

さらにイーロン・マスク氏を含む1000人以上の研究者や技術分野のリーダーたちが署名した書簡では、AI技術発展のペースを緩めるよう訴えられており、AIがもたらすネガティブ面への懸念が示されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン