中国の仮想通貨規制強化をめぐる噂の真相【元中国本土取引所CEOが語る】

 かつて取引量ベースで世界第三位となったこともある中国本土の仮想通貨取引所「ビット時代」CEOが17日午前、今回の相場の急変のきっかけとなった中国の規制強化の報道について見解を発表した。ここでは、中国の仮想通貨ニュースサイトに掲載された論説の一部を紹介する。(ちなみに現在同記事はアクセス不可となっている)。

「最近、仮想通貨界隈は政府による規制に関する噂で騒がしい。ディーラーと不良メディアがフェイクニュースと偽の規制政策を喧伝したり、フォトショップで加工した偽の画像を利用したりして、濡れ手で粟の荒稼ぎをしているのは見るに耐えない。筆者は仮想通貨界隈の多くの取引所の同志と政府の規制に関する情報を随時やり取りしている。政府の監督機関と直接あるいは間接的に接触のある『監督機関に近い業界人』として、政府の規制政策に関する噂の真相を明かそう。

 (今回の波乱相場のきっかけとなったのは)取引所外でビットコインの取引を行なった銀行口座が凍結されたことだ。凍結された原因はブラックマネーを掴まされ、その金に関わる犯罪が立件されたからだ。この種の銀行口座の凍結は、決してビットコインの取引及びこの業界に特有のものではない。たとえミネラルウォーターを売っていたって、資金洗浄された金をうけとった場合銀行口座は凍結される。 でもこのニュースは仮想通貨界隈に恐慌の種を蒔いた。同時に濡れ手で粟の金儲けを狙う欲望の種も。

 銀行口座が凍結された者の中には、筆者の知り合いも少なくない。次のスクリーンショットが示すように、彼らの取引所外での取引は影響を受けていない。違う銀行口座を使って取引を続けている。

 ビットコインやICO、プライベートエクイティ等のキーワードが引き金となって、どこそこのWeChatグループが閉鎖された、主催者が公安に捕まって取り調べを受けたとみんなが噂している。ネガティブなニュースが注目される度に、こうした噂はまるで疫病のように仮想通貨界隈に広まっており、これまで何度も同じような状況が生じてきた。筆者はこの件の真実性を追求したことはないが、いつもこの噂が広まるタイミングが巧み過ぎると感じている。

 仮想通貨のマイニング工場が閉鎖されるという噂もある。実際、政策文書でマイニングに対する優遇策が取り消され、マイニング工場の秩序ある撤退が促されている。これは事実だ。四川省にあったたくさんのマイニング工場はすでに閉鎖され撤退中だ。だが、各方面にもたらす利益に関わるため、各地域での規制の実行度合いは一致していない。

 去年、筆者は監督機関と接触し、すでにICOと取引所、そしてマイニング工場が整理閉鎖リストに載っていることを確認した。マイニング工場の閉鎖は明らかに前者より複雑だ。ある地域では去年すでに閉鎖が始まった。だが他の地域では今年やっと始まった所だ。また別の地域ではうやむやになってしまっている。具体的には言えないが、マイニングが各方面にもたらす利益のためだ。

 中国におけるマイニングが世界で必要な計算量の大部分を占めているとしても、中国で進行しているマイニング工場の閉鎖が壊滅的な打撃をもたらすものとはならないだろう。なぜならマイニング工場の経営者の足は長く、逃げるのも早いからだ。東欧やカナダ、そしてインド等、電力が過剰で安価に供給される国家に行って続ければいいだけだ。

 以下の画像が現れた時、仮想通貨界隈は大混乱に陥り、相場は暴落、パニックを引き起こしている。みんなが筆者のところに来て、国内の某メディアの報道は本当かと問い質した。だがこれは去年既に言われていたことがまた新しく誇大報道されたようだ。中国インターネット金融協会が以前公表した『偽装ICOによるリスクの防止に関する警告』と併せて、仮想通貨ユーザは完全に正気を失った。そしてまた食い物にされるわけだ。」

(編集部注:昨年の11月30日付「为互联网金融风险专项整治工作简报(第53期)」には、今回広く報道された人民銀行の潘功勝(パン・ゴンシャン)副総裁の言葉としてウォレットや海外で運営される中国の仮想通貨取引プラットフォーム業者を取り締まる方針が言及されている。1月16日にロイターが発表した規制強化関連のニュースはこれに言及していると思われる。発言が行われた会議は昨年11月20日に開催された。)

「今のところ仮想通貨市場は恐怖心が広がっており、マーケットが自信を取り戻すには時間が必要だ。市場で噂されている規制政策について、プロの視点から簡単な分析と解説を試みる。

1. C2C取引が閉鎖される?

(P2Pプラットフォーム等を使って消費者間で直接おこなわれる)C2C取引は明らかに(今回問題となった規制)文書の精神に反しており、情報仲介と対法定通貨の取引サービスを提供するものだ。C2C取引が誕生した時から、監督機関はすでに詳細な調査を始めている。具体的にどんな結論を出しどんな活動を継続しているのかは知る由もないが、同業者の間で噂されているのは「閉鎖」だ。

だが個人的にはC2C取引の閉鎖による影響が大きいとは思えない。取引所外での取引がより活発になるだけだ。

確かにネガティブなニュースで、皆が怖がるだろう。筆者としてはやはり、それらの法に抵触する仮想通貨プラットホームは避けるようアドバイスする。あるいは大量の資金が引き上げられて、それらのC2Cプラットホームが閉鎖され、取引所での価格が下落するかもしれない。AEXのような純粋な仮想通貨取引は、対法定通貨ではなく仮想通貨間の取引プラットフォームで、疑問の余地なくオススメだ。

2. 海外での登記と主体が国内にあるプラットホームが禁止される?

これは純粋にナンセンスだ。ただチームが国外に引っ越しすればいいだけだからだ。世界中の取引所を閉鎖することはできない。

3. 海外の取引所サイトがブロックされる?

これは確かにある。でもこれはサイトのドメインを変更すれば解決する。ドメインを変えたら運営できない理由はない。 長年存在するポルノサイトが完全に閉鎖されたのを見たことがない。

4. 場外取引が閉鎖される?

これはもともと不可能なことだ。それに個人対個人の取引だって合法だ。」

また、この論説は、以下のように締めくくられている。

「将来、この業界が成熟するに従って、政策に対する免疫力はだんだん強くなるだろう。あと半年もすれば、規制政策に関する噂が引き起こす相場の波の半分は無くなると信じている。仮想通貨ユーザーの耐性も強くなって来た。さらに重要なのは、中央集権ではない分散型エコシステムは政府のどんな政策をも無視できるということだ。もうひとつ大切なことは、規制はすべて後から来た人のためのものということだ。政策に振り回されることを止めれば何事もうまく行く。」

古いニュースの焼き直しか、当局が行動にでる兆候か

 また、コインテレグラフが独自に取材した中国仮想通貨業界関係者からは、今回暴落のきっかけとなった中国政府による規制強化の報道をうけ、「古いニュースの焼き直しでは」とする声が聞かれた。

 ただし「中国規制当局による本気度を示す」という声もあり、依然として警戒が必要だ。