興味深い展開だ。本年10月にRipple Inc.主催のブロックチェーンと銀行業務に関するカンファレンスにおいて、アメリカの連邦準備制度理事会の前議長のベン・バーナンキ氏が基調演説をすることになっている。

バーナンキ氏は伝統的な金融、投資業界の代表的なプレイヤーであり、今では電子通貨のチャンピオンである。その3日間のイベントはRipple Inc.によって主催されていて、Ripple Inc.とは、今の銀行業務モデルを統合し、崩壊させようとしているRippleという仮想通貨を開発した企業である。

バーナンキ氏はかつて仮想通貨を批難していたこともあり、今回の基調演説のスピーカーとしては面白い人選である。彼はまた、経済と金融政策の世界で有名なジーン・スパーリングからもインタビューされることになっている。スパーリングは以前、クリントン大統領とオバマ大統領の下で、大統領経済諮問委員会のメンバーであった人物である。

 

心変わり

2013年、バーナンキ氏は“仮想通貨は将来性を持ち得る”と記し、委員会に自らの考えを述べた。

しかしながら、2015年になってから、バーナンキ氏は仮想通貨には匿名性であることや安定性に欠けることを含め、深刻な問題点があると懸念を示していた。

 

意見を変えた人々達は大勢いる

バーナンキ氏は、まるで慣習のように意見を変え、この新しい通貨に価値を見出している資産運用管理者、経済学者や投資家に続くように見解を変えているようだ。

近年、モルガンスタンレーほどの大きく伝統のある期間も仮想通貨のマーケットに参入し始めている。かつて、モルガンスタンレー証券のチーフエグゼクティブであったジョン・マック氏も彼がここ数年仮想通貨に投資していることを認めている。

しかしながら、対極的な陣営も存在しており、それらの保守的な資産運用管理者や投資家は仮想通貨への投資を避けているようだ。

 

バーナンキ氏は、以前にビットコインを称賛したり、非難したりしたことからも、おそらく未だに自分立場を決めかねているかもしれない。コモディティ投資のプロであるデニス・ガートマン氏のようにどちらでもないかもしれない。

ガートマン氏はビットコインを理解していないと発言しており、その理由から仮想通貨を博打のようだと表現している。