資産運用大手のフィデリティは、「シャーロック(Sherlock)」と呼ばれる分析プラットフォームを発表し、デジタル資産の分野を深く掘り下げようとしている。

4月29日の発表でフィデリティ・インベストメンツは、機関投資家やファンドマネージャーを支援するためのデジタル資産のデータと分析ソリューションを発表した。

「シャーロック」と名付けられたこのプラットフォームは、ブルームバーグのターミナルに似ており、ファンダメンタル分析やテクニカル分析、ブロックチェーンデータ、市場データ、ソーシャルセンチメント分析、業界ニュースなどのデータを1つのポータルに集約できる。

発表によると、投資家が市場を評価するのに役立つ独自分析に加えて、大手機関投資家のデータプロバイダーによる暗号資産に関する調査も含まれるとのことだ。

この新しいプラットフォームは、機関投資家向けの分析を提供するために2018年に立ち上げられメサーリなどの既存ソリューションと競合することになるだろう。調査会社デルフィ・デジタルも、機関投資家向けの詳細な調査・分析を提供する企業の1つだ。他には、より深いレベルのデータや分析を提供するプラットフォームとしては、グラスノードやスキュー、コインメトリックスなどがある。

フィデリティの応用技術センターのプロダクトマネジメント担当副社長であるケビン・ボーラ氏は、機関投資家の仮想通貨分野への関心が高まっていると認めている。

「ここ数年、デジタル資産のデータ領域が飛躍的に成長しているのを目の当たりにした。市場が急速に成熟している一方で、機関投資家からは、包括的でアクセス可能なデータソリューションが必要であるとの声を聞いている」