仮想通貨イーサリアム (ETH) が日本時間で16日深夜、600ドルを突破して急伸した。商品先物取引所大手のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が2021年よりイーサ先物の扱いを開始するという発表に反応したかたちだ。これに先立ってビットコイン価格(BTC) も2万ドルを超え、高値更新していた。
CMEグループで株式指数・オルタナティブ投資プロダクツのグローバル部長を務めるティム・マコート氏は「顧客からの需要の高まりや、ビットコイン先物・オプション市場の力強い成長を鑑み、イーサ先物を追加する。顧客が成長しつつある同仮想通貨を取引・ヘッジする手段となると見ている」とのべている。
イーサリアムは時価総額・日毎取引高の両方で(ビットコインに次ぐ)第二の規模の仮想通貨だ。規制され由緒あるCMEグループのデリバティブ市場にイーサ先物を上場させることは、イーサリアム市場参加者に価格リスクをよりよく管理する良い手段を提供するはずだ。
ビットコイン先物が立ち上がったのがちょうど今から三年前。今回、ビットコイン以外の仮想通貨に機関投資家の参入を促すこの動きは特大の強気材料だ。
これをうけ、イーサ価格は前日比で7%上昇。年初以来高値をつけている。
いよいよ抵抗線を突破

イーサリアムは今年の夏以来、ビットコインの強い動きに伴い上値を試してきた経緯がある。
これまで480ドルを超えられずに推移してきたが、今回CMEによる発表を受け630ドル近くまで伸びた。
イーサは1000ドルを超えるか

現状の勢いを維持できれば1000ドル突破も視野に入る。一方で連動するビットコイン価格が2万ドルを割って低迷すると、イーサも430-470ドルまで調整する可能性はあるだろう。
次の上昇は800-850ドル圏がメドになる。相場の強さによっては、1150-1200ドル圏も不可能ではない。
ETH/BTCペアは強気転換

チャート分析によると、イーサ/ビットコインペアは今年強気ダイバージェンスを示しており、強気転換している。
BTC建てで見ると、2021年はイーサリアムにとって強気の年になる可能性がある。
同記事は著者の見方や意見を示したものであり、コインテレグラフ自体の見方ではない。全ての投資判断にはリスクが伴うため前もって自身でリサーチを行うことを奨励する。