仮想通貨イーサリアムの「シャペラ」アップデートが成功裏に実施され、ステークしたイーサ(ETH)の引き出しなどの新機能が追加された。仮想通貨コミュニティメンバーは、イーサリアムエコシステムの最新アップデートに対してさまざまな反応を示している。

そもそも「シャペラ」とは「上海」と「カペラ」という同時に実施されたアップグレードを組み合わせた言葉で、仮想通貨コミュニティが使用している用語だ。このハードフォークはイーサリアムの開発ロードマップ上で重要なマイルストーンであり、多くのファンがネットワークの将来に期待を寄せてきた。

今回のアップグレードをうけ、仮想通貨コミュニティの多くのメンバーがネットワークの開発者たちに祝福の言葉を贈った。

イーサリアム財団の研究者ダニー・ライアン氏は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)には時間がかかったもののついに完了したとのべた

イーサリアム財団チームが主催した「シャペラウォッチパーティ」で、イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は「ネットワークは今、本当に良い状態にある」と語った。「イーサリアムプロトコルの移行において最も困難で最も速くすすめなくてはならない部分がほぼ終わった。非常に重要なことを今後もやらなければならないが、それらはゆっくりと進められる」。

イーサリアムコミュニティのメンバーであるアンソニー・サッサーノ氏は次の主なアップデートである「EIP-4844」についてコミュニティに注意を促した。これはイーサリアム上のロールアップのスケーラビリティを向上させることを目指している。

一方、ブロックチェーン分析会社グラスノードは、シャペラアップデートによってステークされたETHが解放されるものの1%未満しか売却されないと予想している。同社はわずか253人のバリデーターのみが退出を申請しているとしている。さらに、同時に大量のETH供給が市場に投入されるのを防ぐ仕組みも用意されている。

シャペラアップデートの期待される効果の1つは、より多くの機関投資家がイーサリアムに参入することだ。イーサリアムのステーキングサービスを展開する「ブロックデーモン」のフレディ・ツヴァンツァーグ氏は、明確な引き出しオプションが整ったことで大手投資家からETHのステーキングに対する関心が高まる可能性があると予想している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン