イーサ(ETH)価格は2月9日に史上最高値を更新した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でイーサ先物の取引を開始してから数時間後、バイナンスでは1830ドルまで暴騰した。

CME上場後の上昇の重要性
CME上場前にはネガティブなセンチメントがあったこともあり、イーサが過去最高値を更新したことは重要だ。
2017年12月にビットコイン先物がCMEに初めて上場した。しかし当時は数週間でビットコイン価格は2万ドルから6000ドル近くまで暴落した。このため、多くのトレーダーがイーサもビットコインと同様に暴落すると予想していた。
しかしこの予想には2つの誤解があるだろう。一つ目はCMEのビットコイン先物上場がビットコイン暴落のきっかけになったと証明するものはないことだ。2つ目はイーサ先物上場を弱気に結びつける根拠もないことだ。
2021年と2017年の違いは、イーサ含め仮想通貨全体に機関投資家の需要があることだ。既報のように、テスラは15億ドル相当のビットコインを購入した。
こうしたビットコインに対する機関投資家の需要は、イーサにも波及するだろう。そのために今回のCME上場は長期的にイーサリアムの価格上昇に長期的に寄与する。
イーサリアムの投資家で、リサーチャーでもあるライアン・シーンズ・アダムス氏は次のように述べている。
「ETH先物がCMEに上場することは大きな影響がある。これは機関投資家との橋渡しになる。これは規制当局からのグリーンライトだ。ETHは世界的に受け入れらるコモディティマネーになりつつある」
CME上場は起爆剤
仮想通貨データ調査会社コインメトリックスは、ETH先物の立ち上げによって、グレイスケールのイーサリアム投信への流入が加速すると指摘する。
これが機関投資家のイーサリアムへの意欲をさらに向上させ、さらにグレイスケールのイーサリアム投信への流入が増加するというスパイラルが起きればイーサを取り巻く短期・長期地主にセンチメントが急速に改善されると予想する。
「投資家はグレイスケールのイーサリアム投信を購入すると同時にイーサをショートし、市場の中立性を維持しながらイーサプレミアムを手に入れることができる。グレイスケールのイーサリアム投信には現在、イーサを出金する方法がないことで大規模な受け皿として機能している。」
アーケインリサーチのアナリストによると、ETH先物取引は初日に3000万ドルの取引高を達成するなど高い水準であったことがわかっている。

出来高が増え続けていることで、機関投資家もETHを潜在的な投資対象として検討していることがわかるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン