仮想通貨(暗号資産)イーサリアムの取引手数料であるガス代が1日に過去最高に達した。分散型金融(DeFi)のエコシステムの成長が影響しているとみられる。仮想通貨分析企業のグラスノードによると、イーサ価格の上昇により、マイナーは1時間で50万ドルを獲得したという。
ブロックチェア(Blockchair)のデータによると、9月1日のイーサリアムの平均手数料は過去最高の11.75ドルとなっている。
イーサ(ETH)価格は年初来高値である486ドル付近を推移しており、記事執筆時点でも過去24時間で10%以上上昇している。ネットワーク活動が活発化している原因は、分散型取引所UniswapのフォークであるSushiswapがローンチされたことが背景にあるようだ。さらにDeFiプロトコルも急速に成長しており、既報の通り、8月にはDEXの取引量は110億ドルを突破している。
手数料の上昇と取引の増加はイーサのマイナーにとって好材料のように思える。実際にイーサリアムのハッシュレートは一貫して上昇を続けており、過去20ヶ月で最高値に達した。Etherscanによると、執筆時点ではハッシュレートは232,053.87GH/sとなり、2018年11月並の水準に達している。
ただし、短期的、長期的にはイーサリアムの持続可能な成長を続けるための問題に当たっている。DeFiはイーサリアムの強気につながる一方、技術的な問題の原因になっている。
分散型金融によってネットワークの限界を超えた活動が続いているために、ネットワークが混雑し、未確認取引の数が増加。待ち時間が長くなっていることで手数料の高騰につながっている。この問題は一部のスマートコントラクトを使用不能につながるため、イーサリアムの将来にとって極めて大きな問題だ。
これまではテザーがネットワーク上で最も多くのガスを消費してきたが、最近では分散型取引所であるUniswapがトップになっている。Uniswapは1日の取引量でコインベースを抜いたほど急成長している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン