現物イーサリアム上場投資信託(ETF)は、取引開始から1年以内に最大100億ドルの資産を運用する可能性がある。シグナム銀行の投資リサーチ部門責任者であり、ゴールドマン・サックスの元幹部であるカタリン・ティシュハウザー氏がコインテレグラフとのインタビューで語った。
同氏の予測は、現物ビットコインETFの予測に基づいている。ビットコインETFの資金流入が初年度で300億ドルから500億ドルになると予測し、イーサリアムETFもこれに続くと見ている。
「イーサリアムの知名度がビットコインに比べて低いため、採用が遅れる可能性が高い」とティシュハウザー氏は述べた。「イーサリアムの時価総額がビットコインの3分の1であるため、相対的な資金流入はビットコインの15~35%の範囲に収まり、初年度の予測は50億ドルから100億ドルになる」とのべた。
イーサリアムETFはBTCよりも優位性を持つ
ティシュハウザー氏は、伝統的な投資家にとってETFには大きな利点があると指摘している。なぜなら、彼らは通常、仮想通貨への直接投資の取引、決済、リスク管理をするための準備が整っていないからだ。「ETFのような規制された馴染みのある商品は、簡単な投資エクスポージャーを求める投資家にとってイーサリアムへのアクセスを容易にする」と同氏は指摘する。
さらに、イーサリアム投資はビットコインよりも利点を提供すると語った。ビットコインが価値の保存手段と見なされる一方で、「イーサリアムは主要なスマートコントラクトプラットフォームとして、仮想通貨業界の多様なアプリケーションとユースケースを持つ最良の単一資産プロキシである」とティシュハウザー氏は述べる。
同氏はまた、イーサリアムが主に収益とキャッシュフローから価値を得ているため、「デジタルゴールドという概念よりも伝統的な機関投資家にとって親しみやすい」と付け加えた。

ETHの価格は6000ドルに
イーサリアムETFの導入にもかかわらず、資産の価格はあまり上昇していない。ティシュハウザー氏は、資金流入を期待していないため、市場が上昇を織り込んでいないと考えている。「これは、価格がポジティブなサプライズに強く反応する可能性が高いことを意味する。純流入がプラスに転じて加速すると、ETHの価格にとって強力な推進力となる」と話す。
強力な流入は、市場のセンチメントを押し上げ、ETHの流動供給が限られているため、需要ショックを引き起こすと説明するが、これには時間がかかる可能性があるとも指摘する。
ティシュハウザー氏は、イーサリアムの流入がビットコインETFの最初の数か月の流入と比較する場合、ETHの価格は6,000ドルに達する可能性があると指摘した。イーサリアムETFの流入に対する市場の見方が弱気であるため、ETFへの大規模な流入がビットコインよりもイーサリアムに大きな影響を与えると予想する。
グレースケールのETHE(運用資産67億ドル)を除いて、8つの新しいイーサリアムETFは取引開始から最初の7日間で既に15億ドルの流入を達成している。
