何度も延期されてきたイーサリアムのプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コンセンサスメカニズムへの移行が、うまくいけば8月中には実現しそうだ。

イーサリアム(ETH)ネットワークのコア開発者であるプレストン・ヴァン・ルーン氏は、パーミッションレス・カンファレンスで、すべてが計画通りに進めば、「マージ」と呼ばれるPoSへの移行が8月のどこかで行われると語った。

ヴァン・ルーン氏は5000人の出席者に対し、いわゆる「難易度爆弾」が予定通りネットワークを劣化させる前に移行することを検討していると語った。

「私たちが知る限り、すべてが計画通りに進めば、8月というのは理にかなっている。もし(難易度爆弾を)動かす必要がないのなら、できるだけ早くやりましょう」

同じイーサリアム研究者のジャスティン・ドレイク氏は、マージを迅速に進めることが最優先であると述べ、「8月に難易度爆弾が爆発する前に実現させたいと強く思っている」と話した。

「難易度爆弾」とは、イーサリアムのブロックチェーンにコード化された、意図的にネットワークを遅くするプログラムのことだ。これは、マージ後にマイナーがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)チェーンに残ることを困難にすることで、PoSへの移行を促すために設計されたものだ。

4月11日、イーサリアム開発者のティム・ベイコ氏は、マージが再び延期されたことを発表した。「シャドーフォークテスト」が成功したにもかかわらず、ベイコ氏はマージが予想通り6月に実装されることはないと述べた。ベイコ氏によると、開発者は難易度爆弾を回避するために迅速に行動する必要があり、そうでなければ、爆弾を遅らせるためにさらに別のアップデートを導入する必要があるという。

「ブロックタイムが遅くなる前にマージをメインネットに展開できないと考えた場合、再び延期する必要がある」と述べている。

Ropstenテストネットでのマージという「巨大なテストマイルストーン」が6月8日に実施される予定だ。Ropstenテストネットのマージでは、PoWテストネットワークが新しいPoSコンセンサスレイヤーのテストネットと結合される。これはイーサリアムとビーコインチェーンの実際のマージが最終的に行われ、PoSネットワークになったときに何が起こるかをシミュレートするものだ。