イーサリアム(ETH)の価格は6月11日に4カ月ぶりの高値である2880ドルに達した後、現在は2550ドル付近まで調整している。
複数のアナリストによれば、依然として2800ドルの水準が重要なレジスタンスとなっており、これをサポートに転換できれば「激しい上昇」が始まる可能性があると指摘されている。
仮想通貨アナリストであるダーン・クリプト・トレーズ氏は、Xへの投稿で「イーサリアムの値動きは、2800ドルという重要な水準の直下で押さえつけられている」と述べている。
同氏は、2800ドルを明確に上抜けて終値をつければ、「上昇に向けた良好なセットアップになる」と主張した。
「もし2800ドルを明確に突破し、その水準を維持できれば、4000ドル近辺のサイクル高値に向けた動きが視野に入るだろう」
アナリストのイェレ氏も、ETH価格が2800ドルを超えるレジスタンスのすぐ下の狭いレンジで推移しているチャートを共有し、次のように語った。
「一般的に、こうした構造は一つの結末に向かう。強くて激しい値動きだ」
$ETH is still consolidating below the key resistance, compressing in a very tight range.
— Jelle (@CryptoJelleNL) June 19, 2025
Generally speaking, these structures only end in one way; a strong and violent move.
Break above the white box - and the train ain't stopping anytime soon. pic.twitter.com/sGiWHSB3q7
現物ETFへの資金流入がETHの上昇を後押し
イーサリアムの強気材料を裏付ける要因の1つが、機関投資家による継続的な需要だ。これは、現物イーサリアム上場投資信託(ETF)への大規模な資金流入として表れている。
現物イーサリアムETFは、6月中旬まで19日連続で資金流入が続いた後、いったん途絶えたが、月曜から水曜にかけて3日連続で新たな流入が見られ、水曜日には1900万ドル超が流入した。ファーサイドのデータによれば、過去2週間でETF全体の純流入額は8億6130万ドルに達している。
これらの流入額は1月以降で最高水準となっており、イスラエル・イラン間の緊張による初期の市場不安にもかかわらず、伝統的な金融機関による信頼感の高まりを示している。
ステーキングと保有アドレスが過去最高を記録
6月1日から日曜日までの間にステーキングされたイーサリアムは50万ETH以上増加し、ロックされた総量は過去最高の3500万ETH超となった。
この成長は投資家の信頼感の高まりを示しており、供給量の減少傾向が続いている。これは希少性が増し、需要が維持または増加すれば価格上昇を後押しすることになる。
クリプトクオントのアナリストであるオンチェーンスクール氏は、月曜日のクイックテイクで、売却履歴のないETH保有アドレス(いわゆる蓄積アドレス)も過去最高を更新し、現在2280万ETH(約580億ドル相当)を保有していると指摘した。
これは、強い投資家の信頼と売却圧力の低さを示しており、価格高騰の前兆となることが多い。
同氏は次のように述べた。
「これら2つの指標は、イーサリアムを長期的なファンダメンタルズと投資家の確信という観点で、最も強力な仮想通貨の1つに位置づけている」
ETH価格、200日間SMAを上回れるかが鍵
トレーディングビューのデータによると、ETH価格は現在、2600ドルの200日間単純移動平均線(SMA)によるレジスタンスと、2450ドルの50日間SMAによるサポートという2つの重要な水準の間に挟まれている。
ETHの強気派が3000ドル以上への回復を継続させるには、200日間SMAを明確に上抜く必要がある。
ビットコインがこのトレンドラインを最後に上抜けたのは2024年11月9日であり、その後、3130ドルから12月15日の4100ドルまで40%の上昇を記録した。
一方、現在のチャートに現れている強気のフラッグパターンは、3900ドルへのブレイクアウトの可能性を示唆している。
イーサリアムがカップ・アンド・ハンドル型のチャートパターンを上抜ければ、51%の上昇となり、4200ドルへの到達もあり得る。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。