仮想通貨取引の成果をソーシャルメディア上の絵文字の感情だけで予測できるかを調査した研究が発表された。
ヨーロッパとアジアの研究者チームが行った研究によると、ポジティブな感情を示す絵文字は市場の好転を正確に予告していたという。「ポジティブな感情レベルが高いほど、その後のBTC価格の上昇との強い予測関連性が示された。これは、最もポジティブに受け取られる絵文字で表現されたソーシャルメディアの楽観的な言説が市場センチメントのバロメーターとして機能し、広範な投資家の楽観主義を反映し、購買行動を促し、市場トレンドに影響を与えた可能性がある」という。
仮想通貨に対するポジティブな感情を持つ絵文字を特徴とするソーシャルメディアの投稿と取引リターンの増加との関係を明らかにするため、研究者たちはX(旧ツイッター)を利用した。研究チームは、人工知能(AI)のChatGPT4を使用し、絵文字を特徴とする仮想通貨の投稿のデータセットを感情別に解析した。
研究チームは、感情分析を利用して翌日の取引を行うアルゴリズム手法を開発した後、シンプルなルーチンを設定した。もしボットが特定の日の絵文字感情がポジティブと判断した場合、チームはビットコイン(BTC)を購入し、翌日に売却した。
研究によると、この戦略は通常の市場トレンドを上回り、一貫した利益をもたらした。
仮想通貨コミュニティの多くが、ロケットの絵文字がポジティブな感情を示し、好調なパフォーマンスの予測と関連づけられることを知っている。この考えを実用的なデータストリームに変えることは、研究者の第一歩に過ぎない。次に研究者らは、タイムステップデータの最適なポイントを見つけ出した。「30日から40日の"タイムペース"は、意味のある感情トレンドを統合するのに十分な長さであり、最近の変化に対応するのに十分な短さであり、バランスの取れた期間を提供する」と研究者は書いている。
この場合、1か月程度のソーシャルメディア上の絵文字感情のデータとGPT-4へのアクセスを持っていれば、研究者は市場平均を上回ることができた。ただし、いくつかの注意点があるという。第一に、彼らの取引戦略は取引手数料その他の関連費用を考慮に入れていない。第二に、彼らは毎日BTCを購入し翌日に売却する戦略とアルゴリズムをテストした。