イーサリアムベースの再ステーキングプロトコルであるアイゲンレイヤー(EigenLayer)のロックされた総価値(TVL)が、ステーキング上限の一時的な撤廃後、わずか8時間で10億ドルも急増した。
2月5日、アイゲンレイヤーは、ネットワークへの「有機的な需要」を呼び込むため、2月9日までの期間限定でプロトコルごとのステーキング上限20万ETHを一時的に解除する発表した。この一時的な制限撤廃は、将来的にすべてのステーキング上限を恒久的に撤廃する道を開くものだとしている。
EigenLayer Restaking Reloaded!
— EigenLayer (@eigenlayer) February 5, 2024
From NOW until Feb 9th, 12 PM PT, dive back into the world of LST restaking! All pools are fully uncapped, featuring both the existing pools and welcoming new partners @fraxfinance, @liquid_col, & @0xMantle. pic.twitter.com/yDGHiJjX3m
DefiLlamaのデータによると、発表後の8時間で同プロトコルのTVLは約25億ドルから35億8000万ドルに急増し、投資家たちは自らのリキッドステーキングされたETHトークンをプロトコルに流入させた。過去1週間では、TVLは16億ドルの増加を記録している。

アイゲンレイヤーは、投資家がステーキングされたETHトークンを再ステーキングして、追加の利益を得ることができるプロトコルだ。現時点で、アイゲンレイヤーはリドDAOのステークドETH(stETH)やスウェル・ステート・イーサ(swETH)などの流動性ステーキングトークンをサポートしている。
リドのstETHは現在、アイゲンレイヤーで最も再ステーキングされたトークンであり、アイゲンレイヤーのTVLのうち12憶ドル以上がリドのstETHとなっている。
再ステーキングは、既存の流動性ステーキングトークンをロックアップして投資家に利息を提供し、それらのトークンを他のブロックチェーンネットワークの検証、貸付、流動性提供に使用することで機能する。アイゲンレイヤーは、ステーキングされたETHトークンの新たな使用例として広く認知されているが、市場ウォッチャーや開発者からは、プロトコルの仕組みに関して、高い再ステーキング量がレバレッジに似ていると懸念している。
昨年5月、イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は、再ステーキングの顕著な増加やデータ、価格オラクルの過度な使用がイーサリアムエコシステムに大きな「システムリスク」をもたらす可能性があると警告している。
アイゲンレイヤーのテストネットは2023年4月7日に立ち上げられ、メインネットはその2ヶ月後の6月14日に開始された。以来、プロトコルのTVLは2万1623%も増加し、再ステーキングに対する仮想通貨市場全体の熱意を反映している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン