仮想通貨分析を手がけるメサーリのシニア・リサーチアナリストであるライアン・ワトキンス氏は、イーサ2.0がプルーフ・オブ・ステイクに移行し、アップグレードを完了させれば、イーサリアムがビットコインを抜いて、時価総額で最大の仮想通貨になる可能性があると述べている。
3月18日にYouTubeの「Fintech Today」に出演したワトキンス氏は、イーサがビットコインを逆転する時期については、わからないとしたものの、将来的には追い抜く可能性を指摘した。
「ビットコインがイーサリアムよりも優れている点は、今後の発行計画が予測可能であることと、ブロックチェーンが非常に安全であることだ。イーサ2.0がプルーフ・オブ・ステイクに移行することで、安全性の面ではイーサリアムはビットコインを凌駕する可能性がある」
ワトキンス氏はイーサ2.0への移行に伴い、イーサの経済的側面が変化することを強調し、近日公開予定のバーン(焼却)メカニズムにより、新規発行を上回る速度でイーサが破棄されることになると予想する。これによってイーサの希少価値が向上すると考えている。
「イーサリアムの金融政策はイーサ2.0で変更され、ビットコインよりもインフレ率が低くなるだけでなく、デフレになるだろう。そうなると毎年バーンされているために、実際に存在するイーサはどんどん少なくなる」
こうしたことから、ワトキンス氏は「イーサがビットコインよりも安全で、より強力な金融政策を持っているとしたら、ビットコインはイーサよりも強気シナリオは持てるだろうか」
さらに同氏はイーサリアム・ブロックチェーンで活況を呈している分散型アプリ(dApps)によって、ビットコインよりも多くのユーザーを惹きつける点についても言及した。
「イーサリアムの経済圏は、人的資本と金融資本の両面で多くの資本を集め、実際に世界経済の中で力を発揮する。イーサリアムのGDPは実際に多くの大国に匹敵している」
このことから、イーサリアムの経済圏で生計を立てることも可能になっていると主張した。
ブロックチェーン・センターの「Flipping Index」によると、8つの指標からビットコインに対するイーサリアムの強さを測定している。これによると、イーサリアムのビットコインに対する強さは現在65.6%で、2月上旬には72.3%と最高値を記録していた。
指標ではノード数や取引数、取引手数料の面でビットコインを追い越している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン