ベルリン拠点の持続再生可能技術のスタートアップであるリチオン(Lition)は31日、ブログを更新し、分散型金融(DeFi)の普及が進むに連れて、同社が進めるブロックチェーンを活用した分散型エネルギーの普及が進められるべきと指摘した。金融の分散化が進んだとしても、電力の供給源が中央集権化されていることを問題視している。

Litionはブロックチェーンを使って、消費者がエネルギーを複数の事業者から選べるマーケットプレイスを展開している。

Litionはこのマーケットプレイスを分散型エネルギー(DeEn)の市場とみており、イーサリアム上の分散型アプリ(DApps)とスマートコントラクトを活用してエネルギーの取引を行うものだという。

DeEnは透明性と安全性を消費者にもたらす

Litionのマーケットプレイスは、DeFiではデジタル資産のP2P取引が行うのと同様に、DeEnは消費者が自分のエネルギーがどこから来ているかを正確に知ることを可能にするという。消費者は自分が使用する電力がどこから来ているかを知り、素早く安全に電気を選べるようになる。Litionの公式ブログでは同社の分散型マーケットプレイスを例に挙げて、次のように述べている。

「Lition独自のエネルギー取引所であり、消費者にオープンに直接届けることができるP2Pエネルギー取引所だ。スマートコントラクトとブロックチェーンを活用することで不要な中間業者を排除し、再生可能エネルギーを手ごろな価格で提供できる。生産者はより高い収益を得ることができ、持続可能エネルギーの普及につながるだろう。」

Litionは、エネルギー供給は長らく、中央集権的であったことを問題視。消費者は現在のエネルギー市場を選ぶことができない状態が続いているという。DeFiは人々が金融市場で取引する方法を変革したが、こうした分散型ビジョンはエネルギー分野でも実現されるべきであり、金融システムに供給される電力も分散型であるべきだと主張した。

Litionのコミュニティマネジャーを務めるマーク・ステファン氏は次のように指摘した。

「DeFiの「機械」が成長を続けるに連れて、システム自体が稼働し、維持するためのエネルギーが増えていく。エネルギー源は現在のところ不明だ。DeFi空間は、DeEnが国家や企業が所有するエネルギー依存から切り離され、真の分散型になるべきだ」

ステファン氏は世界が新しい持続可能な未来に向かって移行していると主張。EUは2050年までに二酸化炭素の排出量と吸収量が均等になるカーボンニュートラルな世界にすることを目標に掲げている。この中で太陽光発電と風力発電が重要視される。

しかし、現在のエネルギーシステムが中央集権型の設計されたシステムであることが目標達成を阻害しているという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン