仮想通貨取引所ディーカレットは25日、ビットコイン・マイニングマシンの小口販売と運用サービスの提供を開始すると発表した

今回の取り組みは、海外の大規模マイニングファームと提携し、サービスを展開するという。顧客はマイニングマシンを購入すれば、自身で運用やメンテナンスをする必要がなく、マイニング報酬を受け取ることが可能になるという(獲得した報酬はディーカレットのコールドウォレットで保管されることになる)。

販売するマイニングマシンはビットメイン社製の「Antminer S19 95TH/s」。販売価格は90万7500円になる。募集期間は3月15~25日までで、今年6月から稼働を開始する予定だという。

国内競合との差別化が狙い

今回のサービスに至る背景について、ディーカレットでは差別化戦略の一環だと強調している。新規通貨追加などとは異なる角度から、差別化を図る狙いだ。

「国内の暗号資産交換業の登録事業者が初めて行うマイニング案件となる。これまで差別化戦略として新規通貨追加などがあったが、違う角度から差別化を図っていくのが後発事業者としては重要と判断した。マイニングへの投資は一般の投資家はなかなか参入が難しいが、投資リターンなどを考慮すると非常に有望な投資商品となり得る。」

今回は世界的にマイニング投資が活況になる状況を見越し、マシンの在庫を抑えることができ、サービス開始に至ることができたという。

「年末年始以降の暗号資産価格の上昇と相まって、世界的にマイニング投資が活況になっている。そのような状況を見越してあらかじめマシン在庫を抑えることができ、かつ、マイニングオペレーションに長けているファームとも提携できた」。

節税効果などのメリットも

ディーカレットによれば、利用者層として想定しているのは、「節税効果を狙う法人やリテラシーの高い個人投資家」だ。

実際、どのくらいのリターンになるかは条件によって変動するわけだが、ディーカレットでは、「Network Hash rate: 150EH/s, BTC価格: 47,910 USD と仮定すると、年率で約94%程度の投資リターン」になるとシミュレートしている。

さらに普通にビットコインに投資するケースよりも、「マシン購入による節税効果(定率法で初年度50%減価償却)」や「価格下落時のダウンサイドプロテクション(価格下落局面でもBTC採掘枚数を増やせる)」といったメリットも期待できるという。

今回は第1弾の取り組みとなるが、ディーカレットでは今後さらなるサービス展開も視野に入れている。

「マイニングが活況だったり半導体が全世界的に不足してたりと調達競争は激化しているが、今回を第一弾として、第二弾、第三弾と継続してマイニングを提供していきたい」。