新型コロナウイルスは「持つ者」と「持たざる者」の格差を拡大させている。米国のメディアからは貧困層による反乱もあり得るのではないかという報道も見られる。
外資系コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーによると、新型コロナウイルスの影響で米国の仕事の最大3分の1が失われる危険性があり、そのうちの80%が低所得者による仕事だ。短期で失われる可能性がある職業で1000万人単位の失業が予想されるのは「宿泊・飲食」と「小売」だ。
直近で影響を受ける仕事の最大86%が年収4万ドル(約428万円)未満だという。
マッキンゼーは、「ロックダウン(都市封鎖)によって不釣り合いに低賃金労働者に影響が出ている」とし「その日暮らしをする人々はこれほど大きなショックを吸収するだけの経済的なクッションがない」と警告した。
新型コロナウイルスで多くの低賃金労働が失われる一方、未だにテレワークを始められずに感染リスクが高い状況で働く人々も低賃金労働者が多い。
現在、新型コロナウイルスに対する米国人の対応は大きく次の3つに分けられる。
- ①大都市から離れて、別荘で自主隔離。(5億9000万ドル(約630億円)の船を自慢したハリウッドの大富豪は大きな批判を受けた)
- ②ZOOMやスラックで自宅から仕事
- ③普段通り通勤
ブルームバーグによると、テレワークが推奨される中で金持ちしか家から働くことができない状況が続いており、貧乏人は普段通り通勤せざるをえなくなっている。
(出典:米労働省 via Bloomberg「家から仕事できない人(黒)と家で仕事できる人(青)」)
米国では黒人コミュニティーでの死亡率が高いなどすでに影響が出ているという。
ブルームバーグは、この現象は国内外で見られると指摘し、最終的には「反乱」につながる可能性もあると警告した。