米下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長(共和党)は、仮想通貨を巡る市場構造に関する公聴会を5月に開催することを発表した。

4月27日、マクヘンリー議員、下院農業委員会のグレン・トンプソン議員、デジタル資産・金融技術・金融包摂小委員会のフレンチ・ヒル議員、商品市場・デジタル資産・地方開発小委員会のダスティ・ジョンソン議員から共同声明が発表された。「われわれの委員会は、デジタル資産エコシステムの明確なルールを制定し、法制化するための前例のない共同作業に取り組んでいる。消費者を保護しつつ、責任あるイノベーションを抑制しない適切なバランスを取る必要がある」と共同声明でのべている。

マクヘンリー議員はこの声明を出した翌日、テキサスで開催されている仮想通貨関連のカンファレンス「コンセンサス2023」でのパネル討論において、今後の公聴会について詳細を語った。

「5月に公聴会を開催する予定だ。これが最初の公聴会で仮想通貨の規制や市場構造について総合的な視点で議論することになるだろう」とマクヘンリ議員。

公聴会の目的は、仮想通貨業界に規制の明確化をもたらす法案を制定することだ。

「ルミス・ギリブランド」法案として知られる「責任ある金融イノベーション法案」は2022年6月に米国上院で初めて導入され、証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)の管轄、ステーブルコインの規制、仮想通貨に関する課税などを対象としている。ルミス議員(共和党)とキルステン・ギリブランド議員(民主党)が主導する法案だ。

この広範な法案は仮想通貨に精通していない上院議員にとって複雑であるため審議に遅れが生じている可能性がある。そのためルミス議員とギリブランド議員は法案を改訂し近日中に次の草案を発表する予定だ。

「これはルミス議員とギリブランド議員が上院で行った作業だが、これが下院での試みになる」とマクヘンリー議員は語った。

改訂された法案について、ルミス議員は「国家安全保障上の利益」に焦点を当てる可能性が高いと示唆した。特にサイバーセキュリティが懸念事項だ。

「法案にはより強力なサイバー犯罪対策が盛り込まれるだろう。適切に規制され、審査されるような企業登録が求められる規定も見られるだろう」とルミス議員は語っている。