仮想通貨貸付プラットフォームのセルシウスが2月中旬に債権者への支払いを開始すると予想される中、大量のイーサリアム(ETH)を中央集権型取引所に移動させていることが確認された。

1月26日には、セルシウス・ネットワークのウォレットからパクソスとコインベース・プライムの入金ウォレットへ複数の大規模なETHのトランザクションがあった。最大の取引では、移動の準備としてセルシウスから別のネットワーク管理下のウォレットに4万43961ETHが移動された(9億8400万ドル相当)。

ブロックチェーン情報会社アーカムによると、この巨大なETHがコインベースとパクソスのウォレットへと合計13回の取引を通じて移動された。

セルシウスネットワークからのETH移動  Source: Arkham

スポットオンチェーンは「コインベースへ送られた29万7454ETHの大部分が、おそらくOTC取引の一環として12の新しいウォレットに分配された」と報告している。

わずか2日前の1月24日には、セルシウスは「セルシウス・ネットワーク:ステークドETH」と「セルシウス・ネットワーク:Eth2デポジター」とラベル付けされたアドレスを使用して、内部取引で5万75081ETHを移動させた

アーカムによると、セルシウス・ネットワークは2023年11月13日以降、ファルコンX、コインベース、OKX、パクソスへ合計75万7626ETHを移動させており、現在は6万2269ETHを保有しているという(1億3380万ドル相当)。

最近のETH移動の正確な理由はすぐには明らかではない。しかし、1月12日に更新されたセルシウス資産分配FAQによると、一部の企業アカウントがコインベースを通じて仮想通貨を受け取ることができるとされている。非企業アカウントについては、米国在住の債権者への分配はペイパルを通じて、米国外の債権者への分配はコインベースを通じて行われるとしている。

セルシウス債権者のコミュニティ「セルシウス・ニューコー・コミュニティ」は、債権者への流動性の高い仮想通貨の分配が2月中旬に開始されると予想している。

一方で、セルシウスのユーザー「TheHawk」は、正式に自分のETHをセルシウスから引き出すことができたと報告し、資金はEarnアカウントではなく、保管アカウントにあったとした。

セルシウスは今月はじめ、「資産分配に備えて十分な流動性を確保するため」として資産の移動を開始したと述べていた。セルシウスは、再建プロセス中に発生したコストを相殺し、債権者への迅速な分配を確実にするために、既存のETH保有をアンステークするとしている。

ETHの価格はまだ反応しておらず、執筆時点で1ETHあたり2225ドルで横ばいだ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン