2014年10月にマサチューセッツ工科大学(MIT)は、50万ドル相当のビットコインを学生にプレゼントする「MIT Bitcoin Project」を開始した。

プロジェクトは、学生がアンケートに回答すると、当時100ドル(約1万円)相当のビットコインを受け取ることができるというものだ。配られた学生の中には、突如支給された「お金」を、お寿司や靴といった日用品にすぐに使ってしまったようだ。

当時、100ドルのビットコインは約0.3BTC。もし当時から現在まで持っていれば、ビットコイン価格は100倍以上上昇しており、もし保有していれば、100万円以上の価値になっていた。

プロジェクトの目的は、仮想通貨の理解を促し、MITを仮想通貨研究の世界的な拠点とすることを目的としたものだ。

プロジェクトには3100人の学生が申し込んだが、20万ドル相当分が余ったため、大学はこのビットコインを学生に分け与えた。これは現在の価格に直すと、3380万ドル相当になる。

このプロジェクトについてブルームバーグは、MITからビットコインを分配され、現在も保有しているメアリー・スパンジャースさんなど複数の学生に話を聞いた。

スパンジャースさんは当時の大学側のプロジェクトについて「ほとんどの人はジョークだと思っていた」と話す。

MITには当時、構内の書店でビットコインATMが設置されたが、利用した学生はほとんどいなかった。

学生側もビットコインに関して現在のように価格が上昇するとは思っておらず、何人かの学生はビットコイン決済が可能な近所の寿司屋やレストランで使ってしまったという。さらにビールや靴といった日用品に使ってしまった人もいた。

またパスワードがわからなくなって、ウォレットが使えなくなったりした人もいた。

ビットコインプロジェクトを担当したMIT准教授のクリスチャン・カタリニ氏によると、最初の2週間で10人に1人が現金化し、実験が終了した2017年半ばまでに4人に1人が現金化したという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン