ロシア・エカテリンブルグで開催の2020チェス世界選手権挑戦者決定大会が、新型コロナウイルスの影響を受けて、延期を余儀なくされた。主催者は、ブロックチェーン技術を活用してオンラインでの対戦を検討している。
このトーナメントは、グランドマスター8人が互いに対決し、世界王者のマグナム・カールセン氏との対戦権を競うもの。7ラウンド目で、ロシアで国際線が無期限に停止するとの発表が流れ、中止となった。
主催者のワールドチェスは、コインテレグラフに対し、オンライン対戦に移行するため、ブロックチェーン技術を導入するテスト中だと話した。
ワールドチェスは主催者であり、国際チェエス連盟(FIDE)の公式パートナーを務めている。ワールドチェスのイリア・メレンゾンCEOは、コインテレグラフに対し、以下のように述べた。
「他のスポーツと違って、チェスはオフラインでもオンラインでも、同等の盛り上がりでプレイすることができる。これが他の主要なスポーツと大きく違うところだ。他の主要なスポーツイベントが中止になっており、いつになくチェス大会が注目されている」
チェスは紳士のゲームと考えられているかもしれないが、不正行為が問題となることもある。戦略的なトイレ休憩から、架空の記録作成、オンラインプレイでコンピュータのチェスエンジンを密かに利用するなど、様々な形がある。
イリア・メレンゾンCEOは、このような不正行為防止にブロックチェーン技術が役立つとしている。
「我々は、各ムーブに対してタイムスタンプ、プレイヤーのバイオメトリックス、チェスエンジン評価など100データポイント超を記録する不正行為防止エンジンに取り組んでいる。このデータを分散型のデータベースに保存することは、理にかなっているだろう」
同氏によると、ワールドチェスはここ数カ月、アルゴランドと連携してこのプロジェクトに取り組んでおり、「数週間で公開できる予定」だとしている。
今回の大会は新型コロナウイルスの影響が落ち着けば、再スケジュールされる予定。世界タイトルの対戦は11月に予定されている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン