ビットコインが年初来安値に落ち込む中、ブラックロックのビットコイン上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」から、1日としては過去最大となる4億2000万ドルの流出があった。

ブラックロックのビットコインETFは、2月26日に5000BTCを失い、1月2日に記録した3億3200万ドルの流出額を上回る史上最大の流出となった。

ブラックロックの流出により、26日の合計流出額は7億5600万ドルに達した。コイングラスの暫定データによると、ETFストアのであるネイト・ジェラシ社長は、この動きを「短期的なブレ」と見ていると述べた

また、フィデリティのワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)も7日連続の流出を記録し、2月26日にはさらに1億4570万ドルが流出した。

さらに、ビットワイズ、アーク21シェアーズ、インベスコ、フランクリン、ウィズダムツリー、グレイスケールも、それぞれ1000万ドルから6000万ドルの流出を記録した。

ビットコインETFの入出流の動向Source: CoinGlass

仮想通貨市場全体も下落を続け、2月26日には時価総額がさらに5.6%下落し、2兆9000億ドルに縮小。ビットコインは同日、8万2455ドルの安値をつけた。

市場全体の調整幅は25%に達し、12月17日の史上最高値から1兆ドルが市場から消えた計算となる。

しかし、クリプトクアントの創設者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏は、「パニック売りは初心者のミス」だと指摘。ビットコインの強気相場では30%の調整は一般的であり、「2021年には53%下落したが、それでも史上最高値を更新した」と述べた。

「価格が上がったときに買い、下がったときに売るのは最悪の投資戦略だ」と、同氏はXでコメントした

また、ビットメックスの共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏や、10xリサーチの調査責任者であるマーカス・ティーレン氏は、ビットコインETFの投資家の大半が、長期的なBTC投資家ではなく、裁定取引(アービトラージ)を狙うヘッジファンドであると指摘。こうしたヘッジファンドが、収益機会の減少を理由にポジションを解消しているとみている。

ヘイズ氏は2月24日、ビットコインETFからの流出が続くことで、ビットコイン価格が7万ドルまで下落すると予測する。また、トレーダーの間では、米国のトランプ大統領がさらなる貿易関税を示唆したことを受け、7万4000ドルの水準がターゲットとして意識されている。