ビットコインのスタビリティは既存のシステムとの相互作用のレベルに依存する

破壊的技術が、メインストリームに広く受け入れられるようになるのは、既存の慣習と合理的な相互作用を生み出した時だろう。

過去数年間に及び、金融危機や、革命、戦争という多種多様な苦難と経験を経て尚、米国ドルは世界経済の様々な側面と深い関係を持っていることから生き延びてきた。

 

相互作用の力学

 

米国ドルは未だに世界中で最も広く利用されている。例えば、ナイジェリアから中国へ旅行する際には、ナイジェリア・ナイラを利用することは出来ない。

当然ながら旅行者は人民元へナイジェリア・ナイラから両替をする必要がある。私の地元であるナイジェリアでは、中央銀行や取引所どちらを利用しても人民元に両替が出来ない可能性が高い。同じように、おそらく個人で中国へナイジェリア・ナイラを持って旅をする旅行者も、人民元へ両替することが出来ないだろう。そのため、旅行者はまずナイジェリア・ナイラを所持している金額に相当する分米国ドルへ変え、それから米国ドルを持って人民元に両替できるような状態で中国へ向かう必要がある。

上記の例は、米国ドルがユニバーサルな基軸通貨である所以を示す最たるものだ。世界のほぼ全ての主要通貨において米国ドルは互換性が高い。こうしたシンプルなエクササイズが通貨市場における米国ドルの一定の需要を担保しており、フィアットである限りその強い存在感が示されることになる。

そして、そのプロセスにおいて米国ドルが究極的に果たす役割は、世界経済全体の基準として、広範囲に影響を及ぼすことにある。

 

ビットコインはまだ発展途上

 

通貨として、取引用の媒体として、ビットコインが成長し続けるに連れて、従来のシステムとの相互作用のレベルによってビットコインの力強さとどれだけ導入される可能性があるかという水準が図れるようになる。そのため、他の側面から見て、送金サービス業界や、小売業、決済システムが成長していると感じることは、ビットコインの成長にとって重要である。

ビットコインとその根幹をなす技術であるブロックチェーンは、既に既存の取引プロセスに侵食し始めている。政府や銀行、既存の企業などが破壊的技術と相互に影響し合うシステム確立のために動いている例は幾つも有る。

丁度最近では、米国政府が米国連邦ブロックチェーン・フォーラムを今年の7月18に開催するとの計画を発表したばかりだ。本フォーラムでは、政府機関とブロックチェーン技術関連のイニシアチブとが如何に連携を図るか、6ヶ月間に渡り話し合われる予定だ。

 

ビットコインでの給料支給

 

他にも、ビットコインによる給料支払いシステムをイギリスで展開するBitwageがその分野においては典型例として存在する。

とあるプレスリリースの中で、Bitwage取締役であるジョナサン・チェスター氏は、イギリス国内の提携する銀行を通して、イギリスの企業から世界中のどこで働いていても給料を受け取れるようなシステムを提供すると発表している―

 

「これは現在、イギリス国内の就労者たちが給料をどのように受け取るか、その多様性を享受出来るようになるということを意味します。給料をどの程度仮想通貨で受取り、銀行口座で受け取るのか、そのパーセンテージを設定し、分けて受給できるようになります。一方で、イギリス国内にクライアントを持ち国外で働く人は、イギリス国内の銀行口座で資金を保管するのと同じような手軽さで迅速且つ、よりコストを抑えて給料を受け取ることが可能です」

 

また、Bitwageは、米国ドル、ユーロ、カナダドル、豪ドル、スイスフラン、日本円建てでの資金受取を受付けており、対応する支払い方法は、ビットコイン、イーサー、ライトコイン、米国ドル、ユーロ、英ポンド、ブラジルレアル、フィリピンペソ、インドルピー、メキシコペソ、アルゼンチンペソ、ベトナムドン、ナイジェリア・ナイラ、ウクライナ・フイヴニャなどだ。

 

ビットコインはより安定的なものに

 

2017年という年は、中国取引所への規制によるプレッシャーや、ビットコインに大きく影響を与えることが想定されていたウィンクルボス兄弟のETFの否決などの様々な大きなイベントから、利用規模と利用者基盤の拡大による市場規模の増大がビットコインやアルトコインの安定性にどのような影響が及ぶのかがはっきりとわかった年だった。しかしながら、過去その勢いが後退したのはどれも一瞬だけで、ビットコインは何度も完全復活を果たしている。

2017年1月の150億ドルと比べると、現在の市場規模は、420億ドル以上にも膨らんでおり、暗号通貨におけるスタビリティが、直接既存の金融システムとの相互作用のレベルに左右されていることがわかる。