5月23日、韓国でビットコイン価格が2,850ドルに到達した。韓国では今、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の需要が急増している。

Korbit、Coinone、Coinhumb、の大手ビットコイン取引所ローンチ以来、裁定機会は常に存在していたが、その差が10%を超えることはめったに無かった。

5月23日、米国や中国で2,100ドル台で取引されているのに対し、韓国ビットコイン取引所では30%近い高い2,850ドル台で取引された。

韓国におけるこうした巨額の裁定機会が存在する大きな要因としては、同国における厳しい反マネーロンダリング政策が挙げられる。

韓国では、如何なるタイプのギャンブルも違法だが、これは、海外カジノや日本におけるパチンコ収入などを含む巨額のブラックマネーが韓国に定期的に収入として入ってくるためだ。

韓国当局は総額で10,000ドルを超える取引は厳しく取り締まっている。

つまり、韓国の銀行口座を持っていたとしても、韓国のビットコイン取引市場でアービトラージにより利益を得ることは難しいということだ。企業であれ、個人であれ、10,000ドル以上ビットコインで利益を上げてしまえば、法によって厳しく取り締まられてしまうからだ。加えて、ビットコイン取引所は、追加のユーザー認証をユーザーに対して求めることが義務付けられている。

通常、AMLやKYCのような厳しい制度は、ビットコイン投資家を敬遠させ、P2Pで直接取引が行えるLocalBitcoinsのようなOTC市場へ誘導することが多い。

例えば、中国当局が国内のビットコイン取引所からの引き出しを差止めした際、LocalBitcoinsの中国リージョンでは、週間取引量が爆発的に増加している。当時、中国規制当局は厳しいKYCプロトコルを取引所に求め、ビットコイントレーダーたちは、対面でのインタビューと、資金源を把握するための財務書類の提出が求められた。

しかし、韓国では、こういった厳しいAMLとKYCのシステムの導入により、逆効果が生まれている。ビットコイン取引の法整備を進め、ビットコイン取引所に対して厳しい規制の枠組みを設けることで、韓国におけるビットコイン取引市場と産業は運営が可能となっているが、結果として、韓国におけるビットコイン価格は上昇を続けたのだ。

韓国のビットコイン取引市場は、韓国最大の数十億ドル規模の大企業や金融機関の支援を受けた3社によって運営されている。そのため、流動性やオプションは限られており、それに対して需要は増加し続けているため韓国ではビットコインは現在も非常に高いレートで取引がされ続けている。