ビットコイン(BTC)は、マクロ経済の不確実性が広がる中で調整局面に入っており、1月に記録した過去最高値の10万9000ドルにすぐに戻ることは期待しにくいとの見方が出ている。

3月5日に公開されたアナリストノートで、クリプトクアントの寄稿者であるXBTManager氏は、「現在は最高値後の調整局面にあり、流動性の必要性から当面は保ち合いが続くと想定すべきだ」と主張する。

長期保有者の買い戻しがロングポジションの鍵に

XBTManager氏は、短期保有者(155日未満の保有者)が売却し、長期保有者が再び買い戻しを始めたときに、ロングポジションが「有望」になると指摘した。

それまでは慎重な取引が求められ、ビットコインへのエントリーに際してはリスク回避の姿勢を取るべきだと述べている。

「今後数カ月は慎重な対応が求められ、高リスクな取引は避けるべきだ」

1月20日、トランプ大統領の就任前にビットコインが初めて10万9000ドルに到達する直前、短期保有者は保有量を増やし、長期保有者は売却を進めていたとXBTManager氏は説明した。1月20日の10万9000ドル到達後、長期保有者の保有量はその後30日間で約10万BTC減少した。

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ビットコイン価格の推移 ource: CoinMarketCap

またビットコインが初めて10万ドルを超えた昨年12月にも、より大規模な売却が発生した。

Bitboのデータによると、12月1日時点で長期保有者の保有量は1520万BTCだったが、12月5日にビットコインが10万ドルに到達する直前には1470万BTCに減少。さらに12月20日には1440万BTCまで低下した。

現在、長期保有者の供給量は1440万BTCと、12月1日から80万BTC減少している。

2月4日、トランプ氏の関税政策による貿易戦争への懸念が広がる中、ビットコインは10万ドルを割り込んだ。

その後、2月27日のウォール街市場オープン時には、新たな米国関税の発表を受けて8万5000ドルまで下落。さらにその日のうちに重要なサポートラインであった8万ドルを割り込み、11月5日の大統領選以降の上昇分をほぼすべて帳消しにした。

コインマーケットキャップのデータによると、ビットコインは現在8万7100ドルで取引されている。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。