著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
先週(3月30日〜4月5日)のビットコイン(BTC)対円相場は10.2万円高(+ 16.15%)の73.7万円となり、週足終値で70万円を奪回した。先週は、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物相場の窓埋めで週明けよりBTCは上伸し、その後もショートのロスカットを巻き込み踏み上げ相場となったが、対ドルで心理的節目の7000ドル水準(≒75万円)では上値を重くし、同水準の上抜けを三度トライするもいずれも失敗に終わった。一方、上値トライ失敗による顕著な失望売りも確認されず、週央から週末にかけての相場は、上値は重くも底も硬く推移した。31日時点のCME BTC先物のファンド勢ポジションは、ロングとショート双方が300枚強ずつ積み上がり、ネットショートの縮小傾向は引き続き鈍化。建玉総残高もほぼ横ばいで、この先の相場の方向感のヒントは得られなかった(第1図)。今週に半減期が迫るビットコインキャッシュ(BCC)とビットコインSV(BSV)も、底堅く推移するも保ち合い上放れとはならず、様子見ムードが広がっている。
第1図:BTC先物(CME)建玉総残高(上段)、ファンド勢ポジション推移(下段) 出所:CFTCより作成