米国第2位の銀行であるバンク・オブ・アメリカが、株式取引の決済にブロックチェーン技術を活用すると報じられている。

17日のブルームバーグの報道によると、バンク・オブ・アメリカは、株式取引の即日決済が可能なプラットフォームであるパクソスが提供する、ブロックチェーンを使った決済サービスに参加した。決済清算部門の責任者であるケビン・マッカーシー氏は、「過去数カ月間、内部取引を行ってきた」と述べ、清算機関として承認されれば、バンク・オブ・アメリカの顧客にサービスを提供するとしている。

バンク・オブ・アメリカが参加しているDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)と比較して、「より柔軟で迅速な」株式決済システムが可能になるという。DTCCの決済期間が約2日であるのに対し、パクソスでは一部の株式取引を数分で決済することが可能だ。パクソスの台頭によって、これまでDTCCが牛耳ってきた株式市場の決済システムを代替するかもしれない。DTCCでは午前11時30分までに記録された取引だけが、その日に決済されていた。

パクソスのチャド・カスカリラCEOによると、DTCCのシステムでは、1日に取引される全銘柄の75%が決済されないことになるという。

マッカーシー氏は、「決済サイクルをT+0(約定日と決済日が同じこと)にすることができる」と利点を強調。「そうすれば、オーバーナイトで計上していた担保が不要になり、コスト削減につながる。長年の課題だったROAも改善される」と話した。

パクソスは、米証券取引委員会の許可をえて、2019年に株式取引の決済サービスのパイロットプログラムを開始。チューリッヒの金融機関であるクレディ・スイスと、野村ホールディングスのトレーディング部門であるインスティネットと共にパクソスのプログラムに参加した。

パクソスは、4月に米国証券取引委員会(SEC)に清算機関ライセンスを申請したことを発表した。また先日、3億ドルの資金調達を完了し、評価額は24億ドルに達した。