暗号資産の取引高ベースで世界トップ5※の指にはいるゲート(Gate.io)。(※暗号資産相場情報サイト「コインゲッコー」に依る)。2013年に創業された仮想通貨取引所の老舗だ。
ゲートは現在、仮想通貨取引所事業のみならずWeb3プロジェクトや起業家への投資を積極的に行っている。Web3のSNSインフラをつくろうとする「サイバーコネクト」への投資をはじめ、分散型取引所、取引ボット等のトレード系からメタバースやNFT、はたまたウォレットやGamefiまで、幅広く投資している。
こういったWeb3への投資をになっているのがゲートのWeb3投資会社である「ゲートラボ(Gate Labs)」(本拠:香港)だ。ゲートラボはWeb3プロジェクトへの投資とゲートへの上場審査を担当する重要事業部門だ。
グローバル暗号資産取引所として一定の影響力のあるゲートにおいてまさに投資と上場のカギを握る男といっていい。
今回コインテレグラフジャパンは訪日したゲートラボの代表、モーリス・ン最高投資責任者(CIO)に話を聞いた。
ゲートラボ(Gate Labs)の投資の主な基準は。
「アーリーステージのプロジェクトに限定して投資して、Web3の分野で成長できるように支援する。具体的には最初の時価総額1000万ドル以下のトークンプロジェクトに焦点を当て、リリースできるまで包括的なサポートをする手法だ。」
良いプロジェクトと悪いプロジェクトの見分け方は。
「プロジェクトのファンダメンタルズ面、チームの実績や経験をまず第一に評価する。過去にWeb3スタートアップとして成功しているチームが望ましい。それからプロジェクトのプロダクトカテゴリやトークン経済設計を精査することが多い。」
今後のWeb3業界の展望は。
「ユーザーを既存のWeb2の世界から、いかにスムーズにWeb3へ移行させられるかがカギだ。直感的でユーザーフレンドリーなUI/UX(アプリのデザイン等)が重要になってくる。
Web3におけるイノベーションは現在進行中だ。今後の重要な課題は、各プロジェクトが限界に挑戦し、独創的なソリューションをユーザーに提供することが大事だ。」
来年の相場の投資テーマは。
「ユニボット(Unibot)のようなテレグラムボットの急増が面白い。エアドロファーミングボットからAIボットまで、様々なボットやアプリが生まれてきている。
ソーシャルファイ(SocialFi)も良い。フレンドテック(Friend.tech)の成功に後押しされたソーシャルファイの台頭は、より多くのプロジェクトを生むだろう。2023年第4四半期時点ですでに強い動きを見せている」
日本発のWeb3プロジェクトをどうサポートする。
「色々あるがゲートラボはGateがもつリソースを存分に活用してプロジェクトの成長をサポートする。有望なプロジェクトにはBD・マーケティングから技術アーキテクチャー、トークン経済設計、コミュニティ・エンゲージメント、戦略的プランニングまで総合に支援する。
また必要に応じてゲートラボ以外のWeb3ベンチャーキャピタルにも紹介する。プロジェクトにはしっかり世界のWeb3エコシステムに入ってもらう。」
Web3プロジェクトにとって、コンプライアンス(法令遵守)は大事か。
「プロジェクトがユーザーにサービス提供する法域における適切なリスク要因を理解することが極めて重要だ。派手なマーケティングやトークン上場に着手する前に、コンプライアンスや法的助言を積極的に求めることを強く勧める。」
<終>
モーリス・ン (Maurice Ng) Gate Labsの最高投資責任者(CIO)。Gate Labsに参画前はKingdom Labsの最高戦略責任者(CSO)や、フォビグローバルのグローバル展開を担当した。香港人工知能協会のコミュニケーション・リーダーも務めた。
オックスフォード大学サイード・ビジネススクールと豪クイーンズランド大学でファイナンス学士号を取得。元香港科学技術パーク(HKSTP)情報通信技術(ICT)クラスター・マネージャーであり、AI・ビッグデータ、ブロックチェーン、フィンテックの商用化に深い専門知識を持つスタートアップ業界のベテランでもある。現在は香港フィンテック協会のブロックチェーン&RegTech委員会の委員も兼務。2022年からアフリカでのブロックチェーン技術の採用を促進するUnited Africa Blockchain Association (UABA)の諮問委員会メンバーも務めている。
好きな日本食はマグロと焼肉。好きな漫画は『デスノート』(集英社)。
編集後記:今回の取材をうけるため快く虎ノ門まで来てくれたン氏。プロジェクトの話をすると断片的な情報でも、すぐさまトークン経済や仕様をやや早口で語ってくれるのが印象的だ。頭の回転が早く、「クリプトネイティブ」なWeb3男子だった。ゲートでの責任の重さを感じさせない爽やかさも新鮮だった。
取材・編集:コインテレグラフジャパン