仮想通貨コミュニティがイーサリアム2.0を予想する中、多くのイーサ(ETH)保有者は既にステーキングをするために十分な量のETHを持っている。

イーサリアム開発企業コンセンシス(ConsenSys)の開発者がまとめた「イーサリアム2.0 エコノミックレビュー」レポートによると、ETHの総供給量の約80%が非取引所ウオレットで保有されており、イーサリアム2.0のステーキングに必要な量を超えている。

このレポートによると、現在のETH供給量の77.7%にあたる約8660万ETHは、32ETH(ETH2.0でステーキング報酬を獲得するために必要最低額)以上を持つウォレットに存在している。

ステーキング対応しているETHの大部分は、非取引所のウォレットで保有されているが、さらに1870万ETHがステーキングサービスの対象となる取引所によって管理されている。レポートによると、この規模は「魅力的なサービスが可能でアクセス可能な市場」を構成しているが、ステーキング報酬の対象となるためには「これらのウォレットをアクティブなバリデーターに変換すること」が必要になる。

イーサリアムのステーキングとは?

イーサリアムのステーキングは、イーサリアムブロックチェーンをアップグレードするイーサリアム2.0において主要な部分だ。このアップグレードにより、イーサリアムは、マイニング指向のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)から、バリデーター指向のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行することになる。

32ETHを超えるイーサを保有する者は、ETHステーキングの資格を持つ。これは、マイナーの代わりにブロックを検証することで報酬を獲得できるようにする。

5月はじめ、コンセンシスはETH保有者の66%がETH2.0のロールアウトの最初のフェーズが完了すると、すぐにステーキングを計画しているとのレポートを公表している

このレポートでは、調査回答者287名のうち、「何らかのサービス提供者を介しステーキングを行う予定がある」という回答が最も多く、回答者の33%を占めた。またこの層は、「取引所にETHを預け入れている割合が比較的高い」点が判明した。さらにこの層の57.3%は、ETH 2.0において報酬を得る方法(ETH 2.0エコノミー)について理解していると答えた。

一方この層は、ステーキングで得られる報酬の一部をサービス提供者に支払う必要があるにもかかわらず、年間報酬率として平均7.6%を想定している。一方、自分でバリデーター・ノードを運営する予定の回答者は、平均で年間5.8%を期待しているようだ。

独自バリデーター・ノードの運営予定者は、「ETHを比較的多く保有している」点が判明し、ETH 2.0エコノミーをよく理解していると回答した。この層は、保有ETHのほとんどをハードウォレットで管理していることも明らかになった。